Circulation. 2012 Oct 30;126(18):2177-83.
サーキュレーション(米国心臓協会機関誌)126巻18号2012年10月30日2177~83ページ
http://circ.ahajournals.org/content/126/18/2177.full
Association between smoke-free legislation and hospitalizations for cardiac,
cerebrovascular, and respiratory diseases: a meta-analysis.
受動喫煙防止法が心臓・脳・呼吸器疾患入院率に及ぼす影響:メタアナリシス
Tan CE, Glantz SA.
クリスタル・タン、スタントン・グランツ(カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校タバココントロール・リサーチ・エデュケーション・センター)
Center for Tobacco Control Research and Education, University of California,
San
Francisco, 520 Parnassus Ave, #366, San Francisco, CA 94143.
glantz@medicine.ucsf.edu.
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要約
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背景:受動喫煙は心臓病、脳卒中、呼吸器疾患を引き起こす。受動喫煙防止法施行後、これらの疾病による入院と死亡が減少することが観察されている。
方法と結果:受動喫煙法の包括度と心脳呼吸器疾患の入院および死亡との関連を明らかにするために、ランダム・エフェクト・メタ・アナリシスを行った。2011年11月30日までに発表された研究から、サイエンス・サイテーション・インデックス、グーグル・スコーラー、パブメド、エンベースを用いて系統的に選び出されたものを解析対象とした。選択された論文の引用文献も解析対象とした。
受動喫煙防止法施行後の入院率(あるいは死亡率)の変化、追跡期間、法律の包括度(職場のみ禁煙、職場とレストランが禁煙、職場、レストラン、バーが禁煙)を着目指標とした。33本の受動喫煙防止法に関する45件の研究を解析対象とした。追跡期間の中央値は24カ月(2~57か月)だった。
包括的受動喫煙防止法施行により、対象4疾患の入院率(あるいは死亡率)が有意に減少していた:冠状動脈疾患(相対リスク0.848、95%信頼区間0.816-0.881)、その他の心臓病(0.610、0.440-0.847)、脳卒中(0.840、0.753-0.936)、呼吸器疾患(0.760、0.682-0.846)。包括的受動喫煙法施行後の疾患リスクの減少は、追跡期間にかかわらず持続していた。法律の包括度が高いほど疾患リスクの低下が大きかった。
結論:受動喫煙防止法は喫煙関連疾患である心臓病、脳卒中、呼吸器疾患のリスクを低下と関連しており、その低下度は、法律の包括度が増すほど大きかった。
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