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世界中のJTインターナショナル(JTI)の調査員から報告書が集まった。暴力団(犯罪組織の構成員)がJTのロシア代理店firm's Russian
distributorshipと取引を行い、ヨーロッパに数千トンの紙巻きタバコを不法に輸出していた。調査員たちは大変なことが起きていると感じた。告発された密輸業者と犯罪者は、中東で協力会社を経営していた。
そして、調査員がJTIの社員と代理業者のうち13人が直接密輸業者と共謀していたという情報をつかんだ時に、JTIの上級役員がこれ以上の調査の禁止を命令したことが、社内メールと秘密内部メモに述べられていた。
JTIは問題案件を抱えていた。
CIA、英国警察、アメリカ特殊部隊の猛者からの選りすぐりのJTI調査チームは、長年この案件を調査記録し、解決の道を探ってきた。彼らは、潜入して捜査を行い、密輸ルートを遮断し、欧州警察組織と協力して数百万ユーロの密輸タバコの発送を阻止した。調査チームの探索が進むにつれてJTIの社員とその代理業者が密輸を行っていたと解釈できる証拠が掘り出されてきた。
さらに、当組織犯罪汚職摘発プロジェクト(OCCRP)が入手した数千ページにのぼるJTIの文書、電子メール、秘密内部文書、および数人の退職者の証言によれば、この世界第三位のタバコ企業の抱える問題がもっとあることが分かった。
調査員たちは、これほどの良い仕事をしたことがないと述べている。
JTIの調査員は、JTIと本社JTは、JTの代理店がロシア、モルドバ、バルカン諸国、アフガンニスタンナなどの中東諸国に密輸を行っているという報告書を受け取っても、ほとんど何一つ対策を講じなかったと述べている。密輸に関するあらゆる情報について率先して究明を行う義務がJTIにあることを認めた2007年にヨーロッパ連合との間に交わした協定に反して、このようなあからさまな密輸行為がはびこっている。この協定は、JTIに、非合法なタバコ製品の出荷に対してゼロトレランスで対応することを社会全体への約束とするよう義務付けている。JTIの調査員は、社命を忠実に実行したことを理由として解雇されたと申し立てている。
今年、シリアのアサド大統領が国民を殺害したため、国際的非難と制裁を受けているちょうどその時に、JTIの中東地区の提携会社であるIBCS IBCS poured cigarettes
into duty free shopsが、紙巻きタバコをSyria Duty Freeに流したことがOCCRPの入手したインボイス(納品書と請求明細書の役割を兼ねる送り状)により判明している。
この利潤は会社オーナーのRami Makhloufの懐に入り、欧州連合の5月23日付制裁命令European Union
sanctions order on May 23によれば、「告発者を暴力で脅かす団体の資金となった」。この制裁命令の発効から4日目に、JTIの協力企業と中東でただ一つの代理店は紙巻きタバコ9千万本=9000ケースの製品9,000 cases – 90
million individual cigarettesをシリアの免税店に出荷した。
同月、Syria Duty Freeは、店の所有権をMahkloufファミリーから剥奪すると述べた。OCCRPはこの情報の真偽のほどを確認できていない。しかし、その2か月後の米国財務省の通知US Department of
Treasury noticeは「Rami
Makhlufが(名目上)ビジネスから手を引き、資産をシリア国外に安全に移すことを目論んでいる」と述べている。ライバル企業インペリアル・タバコのスポークスマン、サイモン・エバンス氏は、自分の会社が即時制裁発効に当たりSyria
Duty Freeとの取引を中止し、その後再開していないと述べている。
「我々はMakhlouf氏の取引に疑問を持っている。それが法律に反していないのか、いやたとえ違反がなくとも、初めての取引相手に付いて入念で完全な身元調査を行う義務が我々の会社に課されている。わずか数日や数カ月でそれを完了できないのは明らかだ。だから、この件が片付くまで取引は再開できない。」とエバンス氏は語った。
さらにエバンス氏は、インペリアル・タバコ社がシリア政府所有のGeneral Organization
of Tobaccoに対しても販売を中止したと述べた。これは、制裁リストにその企業が含まれているわけではないが、銀行取引に問題があるためである。JTIは、5月27日に、無料品20000ケースを含む84000ケースの紙巻きタバコをGOTに出荷した。JTIのインボイスinvoiceによれば、合計請求額は1100万ユーロである。
JTIの電子メールには、密輸がいくつかの地域で広く行われている事が述べられている。JTIの調査員は、イスラエルの代理店が大量の紙巻タバコをイラクとベルギーに密輸しているIsraeli distributor
smuggling large quantities of cigarettesことを把握したが、本社は何の措置も講じなかったと述べている。JTIの内部報告書と請負業者から聴取したところによれば、JTIの請負業者(複数)JTI paid officials in
Iraqは、イラク、クルディスタン、イランの高官に金を払って、密輸ルートに関する情報を調査していたという。
JTIは日本政府が株式の50%以上を保有する巨大タバコ産業JTの国際的子会社である。年次営業報告書によれば、JTIは、ウィンストン、キャメル、ベンソン&ヘッジスなどのブランド製品を通じて、前会計年度に250億ドルを売り上げた$25 billion in sales。2月の株主総会shareholder meeting in
Februaryで、筆頭CEOのPierre De Labouchere氏は、財政環境が困難であることを嘆きながらも、2010年中にロシアと中東での営業を強化する事を強調していた。
OCCRPが入手した電子メール、調査員メモ、会社の内部文書によれば、この二つの市場は、JTIの代理店の密輸の拠点である。JTIの内部文書と関連の資料は会社の内部に近い情報源からOCCRPにもたらされた。それらの資料の信ぴょう性は6人の退職者の証言によって確認された。
スイス、ジュネーヴのJTI本社の役員は、個別の問題には答えず、「退職者」が偽りの情報を述べていることを非難する声明文written statementを発表した。広報担当副社長Guy Cote氏は電子メールで「私どもは残念ながらお答えできません。小社はあなた様が送られた様々な電子メールに書かれた根拠のない質問や疑問に答えることは差し控えさせていただきます」と述べていた。
ロンドンのAction on Smoking and Health
(ASH)代表デボラ・アーノット氏は、JTIの密輸への関与を示す情報が明らかになったことについて、この会社が相変わらず昔と同じことを続けていると述べた。さらに「JTI、フィリップモリス・インターナショナル、BAT、インペリアル・タバコは、欧州連合との法的拘束力のある協約を締結し、世界のいかなる場所でも密輸をさせないと誓ったはずだ。」、「もしJTIが密輸をほう助したリ教唆してきたとすれば、欧州連合が交渉によって推進してきた地域協定は不十分だったということになる。密輸は、公衆の健康を損ない、犯罪を誘い、毎年幾百万ポンドもの税収を納税者から盗み取ることにつながる。」と語った。
中止させられた調査
イラクでの密輸に使用された飛行機
JTIの調査員は、2009年と2010年に、違法取引に関する十分な証拠とされる情報をつかんだが、上司は、密売を中止させる対策の実施を繰り返し妨害した。上級副社長マーク・マルベイ氏が、JTIの中東代理店Audeh Groupに対する監査止めるよう直接介入したことが会社の電子メールと内部メモで明らかになっている。
ロシアの総支配人ケビン・トムリンソン氏は、バルト海沿岸で紙巻タバコの没収が増加していることを心配してはいないと述べている。なぜなら、JTIのコンプライアンス・チームの電子メールemail from the
compliance teamによれば、密輸の防止を怠ったことで欧州連合から課される罰金よりも利潤の方が大きいからである。
重役間の緊張は高まっていた。ブランドの信頼性担当の前副社長デビッド・レイノルズ氏は密輸防止の責任を負っていたが、JTIの内部書簡が示すように、利益の上がるパートナーシップを守るために調査の手を緩めるよう指示した上司と激しく衝突した。
2010年4月、レイノルズ氏は上級副社長で本社JTの法務担当主任シモムラ・リュウイチ氏に激越な電子メールReynolds wrote a
blistering e-mailを送った。彼は、その中で、代理人がタバコを密輸しているだけでなく、JTIの役員(複数)がそれを認識していながら何も対策を講じようとしないと述べていた。彼は、調査の情報それ自体が密輸業者にリークされていたとも述べた。
「認可されていないバイヤーへの製品の出荷は巨額となり、会社に対して3000万ユーロの罰金が科させる恐れがある。」とレイノルズは述べているReynolds wrote。「我々はくりかえしJTI経営者に我々のつかんだ情報を報告したが…こうした脱法行為をただす何らの統一的対策も打ち出されなかった。」
2010年4月10日(金)付のレイノルズ氏の電子メールReynolds wroteには、「この数カ月、私のチームのメンバーはJTIの特定の代理人のいくつかの密輸事例と…JTI社員と密輸業者が組んでいる可能性がある事例の調査を中止するよう社命が下されていた。」とある。
2010年4月13日(月)、レイノルズ氏は解雇された。
同じ日に、JTIは彼の第一のアシスタントだったクレイグ・ダグラス氏も解雇した。その後数カ月をかけて、JTIは、密輸問題を知っておりレイノルズ氏のチームとともに活動を続けてきた多くの共同作業者を徐々に解雇した。本年7月までに、レイノルズチームのスタッフはほとんどいなくなった。
「事実はこうです。デイブ(レイノルズ氏)のチームは密輸問題の全貌を明らかにしたのです。彼らは様々な人々を追跡しているところでした。」と語るのは、JTIの仕事に6年間従事したコンピュータ情報専門家ケリー・ヘンドリクス。「彼らが十分な証拠をつかんだ時、彼らは騎兵隊を呼びました(重役に通報したという意)。そのとたんに、デイブとクレイグは首になったのです。全く想定外のどんでん返しが起きました。」
「その時から、JTIの調査活動の性格が完全に変わりました。このとてもプロフェッショナルで経験のあるチームを活動させ多くの情報を獲得させたのです。」とヘンドリックスは語る。「オフィスは活気にあふれ、彼らは大きな成果をつかみつつありました。その後、彼らのかわりに、コンピュータの前に座ってはいるが密輸問題の調査に関して何もしない事務員の集団が異動してきたのです。見るも悲しい事態でした。」
彼らのかわりに、JTIが2007年に買収したギャラハーグループの旧従業員が採用された。イギリスのタバコ会社ギャラハー社は、繰り返し密輸行為に加担し、密輸業者を助けて、2000年代の初めには、イギリスの関税15億ドルを脱税させる手伝いをしたことがイギリスの長期間の訴訟の判決lengthy UK court caseで明らかにされている。
「ギャラハー社から人を連れてきたからには、彼らが何を目論んでいるかを考えなければならない。」と両社の内情に詳しい退職社員は語る。「ギャラハー社の社風は、『捕まらないようにやれ、万一捕まっても自分で何とかしろ』というものだった。密輸の防止対策などやらず、密輸が発覚したら、それには知らんふりをしろということだ。」
書類の廃棄
汚損紙巻タバコの焼却
タバコは最も密輸量の多い合法商品である。それは、儲けが莫大なのに処罰が軽いためである。密輸業者は、ロシアやウクライナのようなタバコ税率の低い国やドバイ、パナマなどの免税地域向けのタバココンテナを西欧やアメリカなど税率の高い国々に発送する。1個のコンテナをさばくと100万ドルの利益が手に入る。
密輸は、偽造と違って、タバコ会社にきちんと利益が入る。税金が高いとタバコ消費量は大きく減る事が調査で明らかになっている。したがって、密輸業者は、手ごろな値段でタバコを売り、新たな消費者を作り出し、既存の喫煙者が禁煙しなくとも済むようにする。2011年の欧州連合の報告書によれば、タバコの密輸により、ヨーロッパ全体の国への税収が毎年140億ドル減収となっている。
1990年代の半ばから、主要なタバコ会社(複数)は繰り返し犯罪グループと共謀して数十億ドル規模の密輸タバコ市場にタバコを供給してきた。この8年間で、タバコ会社の払った罰金は少なくとも50億ドルにのぼり、密輸に関与しないという誓約書に署名をしてきた。JTIは2007年に、欧州委員会との協定に署名して、密輸をなくし違法な出荷に対して「ゼロ・トレランス方針」を義務化すると言う約束をした。
しかし、JTIの資料から明らかになった証拠により、この企業が欧州委員会との協約を決して遵守していない事がうかがわれた。2010年3月、ベオグラードの一人の民間調査員が、欧州警察機構が明らかにした大規模密輸事件にかかわった企業と個人のコンピュータスプレッドシート仕様の名簿を警察筋から入手した。その中には、JTIの社員と代理業者が13人含まれていた。
このセルビアのリストには、厄介な問題がある。第一、コンプライアンスチームが、調査員たちが、JTIとの契約のもとで、警察当局者に賄賂を渡して情報を得ようとしたのか、それとも調査のヒントとして渡されただけなのかを知りたいと考えていた。もしそれらの資料が合法的に入手できたものと判定されたなら、彼らは、会社の電子メールcompany e-mailsから判明した13人の社員と代理業者に付いて調査を実行しただろう。しかし事実はそうはならなかった。ギャラハー社から派遣された企業セキュリティの主任ニゲル・エスピン氏は、警察に所有権のある情報を持っていることに懸念を示し、2010年3月10日の電子メールMarch 10, 2010 e-mailで述べられているように、この文書を調査員に返却するよう命令を行い、調査は中止された。彼は、その社員と業者の名前の書かれたその文書をJTIのコンピュータシステムから削除するよう命令した。翌日、コンプライアンス担当主任Jean-Luc Perreard氏は、密輸調査の終了命令を確認したconfirmed。
JTIと契約してイラクはじめ中東全体の内密調査を担当していたミカエル・パディラ氏は、JTIがマーケットシェア拡大に躍起になっていたと述べている。
「最初、私がどこでどのように密輸を追跡しようとも自由な蜜月期間が続きました。しかし、時期にJTIが私が追跡している密輸業者とつながりを持っていることが分かりました。」とパディラ氏は語る。「JTIはマーケットシェアを守ろうとしていました。マーケットシェア、イランと中東のコントロールは彼らにとって最優先課題だったのです。」
同じような矛盾が世界中のJTIのオフィスで発生していた。ロシアでは、JTIの電子メールと聴取記録報告書company e-mails and
auditing reportsによれば、JTIのロシア最大の代理業者といわゆる暴力団が何らかの利害関係を持っている事例があるとJTIの調査員が述べていた。
ロシアとバルト海沿岸諸国のJTIの調査員と品質管理担当者は、代理業者がセント・ジョージという銘柄のタバコの巨額の密輸を行っている事を詳しく報告している。しかし、ロシアの調査員および、元ブランド信頼性に関する主任レイノルズ氏の内部メモによれば、何の対策もとられなかった。
ゼロ・トレランス?
JTの成長を促進するために、この10年の間に、以前から密輸のために非難されてきたギャラハー社とRJRレイノルズ社が買収された。
カナダとエクアドルは、RJRが積極的に密輸を行っていたとして1999年に米国反恐喝行為法違反のかどでRJRを訴えた。欧州委員会は、ハイレベルの役員が南米の麻薬カルテルの犯罪による収益と知りながらそれを受け取り、マネーロンダリングを行ったこと、そして、北部イラクのテロリストと協力し、イラクのサダム・フセイン政権に禁輸措置を破ってタバコを発送したかどでRJRに対して別な訴訟を提起したEuropean Commission
filed a separate suit。米国は、米国判事には外国の課税問題に対する審査権がないとして、すべての訴訟を却下した。
しかし、2003年から2007年の間に、カナダ連邦警察と歳入徴収官は、2003年だけで13億6千万ドルの脱税を行った詐欺罪でJTIマクドナルド(前RJRマクドナルド、この企業のカナダ法人)とその役員を訴えた。
数次の公判を経て、2004年にカナダが10億ドルの賠償判決を勝ち取った後、JTIは民事再生法適用を申請した。その結果、RJRとJTIマクドナルドRJR and JTI-MacDonaldは2010年に4億7500万ドル$475 millionを支払うことで済んでしまった。
ギャラハー社もまたワルだった。2005年にギャラハー社が一人の代理業者を密輸のかどで解任した。この代理業者は、ギャラハー社が系統的に密輸にかかわっていたとして訴訟を起こした。ギャラハー社は勝訴した。しかし、法廷での宣誓証言と判事の訴訟却下の判決文の中で、ギャラハー社は厳しく非難された。
この民事訴訟の宣誓証言testimony for the
civil lawsuitで、ギャラハー社の前の社長ノーマン・ジャック氏は、この会社が日常的に密輸をしやすいように「見て見ぬふりをしていた」事を社風としていたと証言した。
2007年に密輸対策としてゼロ・トレランスという方針を採用したにもかかわらず、JTIは、同じ年にギャラハー社を買収した。JTIは欧州連合との義務的協約binding agreement with
the European Unionの中に、密輸防止対策費として15年間に4億ドルを充て、違反に対しては高額の罰金を科すという取り決めも入れた。協約の条文に基づいて、JTIには社員を訓練し、不法な出荷を食い止める様々な対策を設けることも合意された。
概要は2007年8月16日の従業員に対するメモmemo to employeesに述べられているが、JTI会長トーマス・マッコイ氏と上級副社長パウル・ボラッサ氏は、監督とコンプライアンス違反のかどで告発された。RJRが密輸業者と共謀していた時期に、この二人の人物はRJRの上級役員だった。
「最近ギャラハーグループを取得したことを考えると、(JTIは:訳注)JTIの行動規範に反する行為を実行するための手順に急速に踏み出したように思われる。」とのメモmemoの記載がある。「JTIは…既遂未遂を問わずいかなる非合法的取引についても迅速かつ断固としてそれを中止させるであろう。」
JTIの代理業者ロックスペドのアントン・スタナジ、ベオグラード空港で逮捕される
JTIの記録company recordsによれば、こうした声明にもかかわらず、JTIの代理業者による不正行為は2009年から2010年にかけて毎月のように報告された。しかし、退職従業員によれば、ほとんど何の対策も講じられなかった。JTIの記録によれば、しばしばJTIの代理業者の助けを受けて、ロシアや中東で数千万本の紙巻きタバコが密輸ルートに流されたのではないかと調査員が認識していた。
ロックスペドを切り盛りしている強力なファミリーの一員であるアントン・スタナジが紙巻きたばこ密輸のかどで2007年に逮捕され、有罪判決recent convictionを受けたにもかかわらず、モンテネグロで、ロックスペドはJTIのモンテネグロ代理業者としてふるまってきた。現在もそれが続いている。
JTIに買収される前のギャラハー社のブランドにちなんで「メンフィス」と命名されたバルカン警察の作戦では、中国やドバイなどからモンテネグロに、あるいはロックスペドを通じて欧州連合などの国々に出荷されたタバコ製品の行方が追跡された。起訴状indictmentによれば、スタナジはロックスペドを密輸工作基地として利用していた。
スタナジはベオグラードで本年5月に、禁固6年6か月の有罪判決six-and-a-half yearsを言い渡された。ロックスペドは、その会社のウェブサイトによれば、引き続きモンテネグロのJTI代理業者にとどまっている。スタナジは控訴中である。
ロックスぺドとスタナジファミリーの代理人は、OCCRPの6回の電話発信と5通の電子メールに全く答えていない。
JTIは引き続き、さらに深い関係を作りながら、別の密輸業者IBCSとの取引を続けている。2002年に、欧州連合は密輸行為に関してRJRレイノルズと共謀したかどで、IBCSを告発した。米国の判事は、他国の政府から自国の企業の利潤に関する訴えがなされてもそれを却下するという100年前の法律を持ち出してこの訴えを却下した。
アウデーグループのホームページによれば、2001年にJTIとIBCSのオーナー、イッサ・アウデーは、JTIのヨルダン支店をともに立ち上げた。
中東とアジアのJTI調査員JTI investigatorsは、IBCSによるイラク、イラン、キプロスなどへの大量の密輸が20009年から2010年の間に行われたことを報告している。
この件についてOCCRPはIBCSに4回電話をしたが、応答はなかった。IBCSの担当者の要請に基づいて、その会社のウェブサイトを通じて電子メールを一通送ったが、返信はなかった。
コンピュータがハッキングされた
オマーンでの密輸風景
デビッド・レイノルズ氏は、調査活動の中心にいた。彼は、2008年末に全世界のオペレーションの監視を行う部署に昇進するまでの四年間アジア太平洋地域のJTIブランド信頼性部門を担当していた。
米国CIAのアナリストだったレイノルズ氏は、愛想がなく、仕事にきびしい人物だったというのがJTIに勤めていた人々の感想である。彼は、物事を白か黒か、善か悪かに決めないと済まない性格で、表面的な調査だけで構わないとする上司と衝突することが多かったという。
彼は、調査チームを迅速に作った。以前一緒に仕事をしたことがある者と、過去の仕事の実績だけで選んだ者とで構成されていた。2010年初めまでに、チームはイラクとクルディスタンで広汎な秘密作戦を実行し、JTIの調査能力を大幅に増大させた。
調査員たちが、アウデーグループ、ICBSなどの情報を収集する過程で、調査スタッフは、彼らのコンピュータがハッキングされていることに気付いた。コンピュータセキュリティの専門家キャリー・ヘンドリクスは、JTIの契約者として6年間仕事をしたが、特別な種類の「トロイの馬」が調査チームのコンピュータに感染したため、ハッカーが各々の調査員が記載した情報を見ることができるようになっていた。このことはJTIの企業内電子メールに書かれていた。
ヘンドリクス氏は、ハッキング元を追跡し、メキシコの空の倉庫にたどり着き、最終的にカナダの某企業にたどり着いた。それはJTIの請負業者であり、そのスタッフにはCIAとフランスの情報機関の元メンバーが含まれていた。このことはJTIの電子メールとメモに書かれている。OCCRPの入手したインボイスInvoicesによれば、JTIはこのカナダの企業に30万ドル支払ったと書かれている。
2009年の11月付けのメモによれば、上級副社長マーク・マルベイ氏はハッキングの命令を出したことを認めている。彼は別の役員ウィレム・ファン・アルドリチェム氏にアウデーとIBCSに対するすべての調査を中止するよう命令した。このことは、2010年1月10日付のJTI社員同士の秘密録音テープに記録されている。
2010年の春までに、調査チームとその上司の関係は悪化して、食うか食われるか(いずれか一方が辞職しなければならない)の状態に立ち至った。このことは、調査にかかわった複数の社員に対するインタビューで明らかにされている。4月10日、レイノルズ氏は本社JTの法務担当役員シモムラ・リュウイチ氏に彼の立場を訴えた。
「…JTIの会社運営は『ゼロトレランス』方針に見合ったものになっていません。…そして、欧州連合内への、あるいはそれを経由して行われる密輸に関する事例において、(2007年に欧州委員会と締約した義務)が繰り返し、特異的に踏みにじられてきました。」とレイノルズ氏は述べていた。Reynolds wrote.
レイノルズ氏は、援助を要請した。しかし、彼は首を切られた。彼以外の調査員は解雇されたり、別の部署に追いやられ、多額の口止め料をもらい、秘密厳守契約書にサインをさせられた。
解雇後、レイノルズ氏は、ワシントンDCのFBI本部に就職した。彼はそこで組織犯罪の上級分析官として働いている。
OCCRPに寄せられた一通の電子メールの中でFBIの報道官Amy J. Thoresonは、レイノルズ氏がこの問題で発言することはFBIが許可しないだろうと述べている。
解雇された他の調査員はすぐにライバル企業の役員が拾い上げている。レイノルズ氏と一緒に解雇された上級調査員の一人は、JTIが呈示した10万ドルの解雇手当を拒否したと述べている。何故なら、それをもらってしまえば、会社で知り得たことを口外しないという誓約書に署名したと同じことになるためである。彼は「鏡に映った自分を見つめる義務があります」と語った。
彼は現在ライバル企業に勤めているので、匿名にしてほしいと言っていた。
「デイブ(レイノルズ氏)を雇ったなら会社がどうなるかということを会社自身が分かっていたかどうかは疑問です」とその調査員は語った。「それまで長い間、会社はサラリーをもらうことだけで良しとして、何もしない人々を養っていただけなのです。それでこそゲームが成り立つのです」
「ところが、彼が着任したとたんに、まともな調査活動が開始され、多くの密輸の事実が発覚したのです。」と彼は語った。「会社側は我々の仕事を歓迎しませんでした。我々もまた会社の態度に納得できませんでした。最初の何か月かは素晴らしい成果が上がりました。でもそれは長くは続きませんでした。我々が職務を全うすることを会社は望んでいませんでした。」
取材・著作:John Holland,
Bojana Jovanović and Stevan Dojčinović
http://www.reportingproject.net/
以上
レポートの全文へのリンク
http://www.reportingproject.net/
【CCRPレポート原文】
OCCRP Home
Big Trouble at Big Tobacco
Documents
By OCCRP
Reports piled up from Japan Tobacco International
(JTI) investigators around the globe. Mobsters were doing business with the firm's Russian distributorship while
shipping tons of illegal cigarettes into Europe. Workers felt endangered.
Accused smugglers and criminals ran some of its Middle East partnerships.
And when investigators received information that 13
JTI employees or distributors may have been working directly with smugglers, a
senior executive at JTI blocked an investigation, according to company e-mails
and internal memos.
JTI had some problems.
The company’s investigative team – experienced hands
culled from the CIA, British police, U.S. Special Forces and elsewhere
–chronicled and fought those problems for years. They went undercover, shut
down smuggling routes and worked with European police to intercept shipments
worth millions of Euro. The deeper they dug, the more evidence they say they
uncovered against JTI’s employees and its distributors.
And that, according to thousands of pages of company
records, e-mails and secret recordings obtained by the Organized Crime and
Corruption Reporting Project (OCCRP), along with interviews of a half-dozen
past employees, created another problem for the world's third largest tobacco
company.
The investigators had become too successful, they say.
JTI’s own investigators say JTI and its parent Japan
Tobacco did almost nothing when faced with reports their distributors smuggled
tobacco through Russia, Moldova, the Balkans, Afghanistan and the Middle East.
The apparently rampant smuggling occurred despite a 2007 agreement with the
European Union mandating that JTI proactively investigate all claims of
smuggling. The agreement prompted a public pledge by the company to adopt a
zero-tolerance policy on illicit shipments. Those investigators say they were
fired by management for doing their job.
This year, as Syrian president Bashar Al-Assad killed
his own people and faced worldwide sanctions, JTI's Middle East business
partner IBCS poured cigarettes into duty
free shops, according to invoices obtained by OCCRP.
The profits went to a company whose owner, Rami
Makhlouf, according to a European Union sanctions order on
May 23, "provides funding to the regime allowing
violence against demonstrators." Four days after the sanctions took
effect, JTI's partner and sole Middle East distributor shipped 9,000 cases – 90 million individual
cigarettes -- to Syria Duty Free.
In the same month, Syria Duty Free claimed to transfer
ownership from the Mahklouf family although OCCRP could not verify this.
However, a US Department of Treasury notice two months
later says "the U.S. Government has reason to believe that Rami Makhluf
(sic) is disassociating himself (in name only) from his businesses and looking
to safely store his wealth outside of Syria."
Simon Evans, a spokesman for rival Imperial Tobacco, said
his company stopped selling to Syria Duty Free the instant sanctions took
effect and hasn't resumed.
"We do have some questions about the sale by Mr.
Makhlouf and whether it is valid, but even if it is valid, we and the entire
industry are required to do full and complete vetting on any new distributors.
Obviously that can't happen in a few days or months, so we can't resume sales
until this is sorted out,'' Evans said.
Evans also said Imperial has stopped selling to the
Syrian government-owned General Organization of Tobacco because of questions
about its banking transactions, even though it is not on the sanctions list.
JTI shipped more than 84,000 cases of cigarettes to GOT on May 27,including
20,000 cases free of charge. The bill totaled more than 11 million Euro,
according to a JTI invoice.
JTI e-mails detail how widespread the smuggling had
become across several regions. JTI Investigators caught an Israeli distributor smuggling large
quantities of cigarettes into Iraq and Belgium, but
investigators say the company took no action. Contractors working for JTI paid officials in Iraq,
Kurdistan and Iran to get information on smuggling routes, according to the
company's internal reports on Iraq, and interviews with contractors.
JTI is the international arm of cigarette giant Japan
Tobacco, which, in turn is owned more than 50 percent by the Japanese
government. JTI reported $25 billion in sales in their
last fiscal year on brands including Winston, Camel and Benson & Hedges,
according to its annual earnings report. At a shareholder meeting in February,
President and CEO Pierre De Labouchere lamented a difficult financial
environment but lauded the strength of its Russian and Middle East operations
during 2010.
Those two markets are the hub of smuggling by JTI
distributors, according to e-mails, investigative notes, and internal documents
obtained by OCCRP. The internal JTI records and related materials were provided
to OCCRP by sources close to the company. Six former employees confirmed the
authenticity of the documents.
Executives at JTI headquarters in Geneva, Switzerland,
did not respond to specific questions, but did issue a written statement blaming
a "former employee'' for spreading false information. "We will
decline your invitation (to comment). Our company does not wish to comment on
the unfounded allegations raised in the various e-mails you sent us," Guy
Cote, a media relations vice president, wrote in an e-mail.
Deborah Arnott, chief executive of Action on Smoking
and Health (ASH) in London, said the revelations against JTI prove that the
tobacco industry hasn't abandoned its old practices.
"JTI, Philip Morris International, BAT and
Imperial, have signed legally binding agreements with the EU committing to
preventing smuggling of their products anywhere in the world," she stated.
"If subsequently JTI has carried on aiding and abetting smuggling, then
it's clear that a regional agreement like that negotiated by the EU is
insufficient. When you have smuggling, you undermine public health, you invite
crime and you rob tax payers of millions of pounds of revenue every year."
Blocked Investigations
Plane used in smuggling operations to
Iraq.
In 2009 and 2010 as JTI investigators uncovered what
they called substantial evidence of illegal trade, managers repeatedly
interfered with efforts to stop the trafficking. Mark Mulvey, a senior vice
president, directly blocked an investigation into the Audeh Group, its Middle
East distributor, according to company e-mails, and internal memorandums.
Kevin Tomlinson, the general manager in Russia, said
that he wasn't concerned about an increase in cigarette seizures at Baltic
borders because profits outstripped potential EU-imposed fines for not stopping
the smuggling, an email from the compliance team
reported. Tomlinson's comment was also secretly recorded by the compliance
team.
Tensions between company executives escalated. David
Reynolds, the former vice president of brand integrity tasked with stopping
smuggling, clashed heatedly with bosses who he said wanted to slow down
investigations that could hurt their profitable partnerships, JTI internal
correspondence show.
In April 2010, Reynolds wrote a blistering e-mail to
Ryuichi Shimomura, senior vice president and chief legal officer for the parent
company, Japan Tobacco. In it, he argued that not only were distributors
smuggling its product, but that JTI executives knew about the problem and did
nothing. He argued that even information on investigations was being leaked to
smugglers.
"Shipments to unauthorized buyers have reached a
massive scale exposing the company to fines potentially of around €30
million," Reynolds wrote.
"We have repeatedly reported our findings to JTI management ... but have
yet to elicit any concerted effort to halt these diversions.
"In recent months members of my team have been
directed not to investigate several instances of smuggling related to specific
JTI distributors ... and the possible involvement of JTI employees with known
smugglers," Reynolds wrote on
Friday, April 10, 2010.
On Monday, April 13, Reynolds was fired.
The company also removed his top assistant, Craig
Douglas, that same day. Over the next several months, JTI phased out nearly a
dozen contractors who knew about the smuggling and worked closely with Reynolds
and his unit. By July of this year, nearly all of Reynolds' team had been
terminated.
"What happened was that Dave (Reynolds)'s group
had figured the whole thing out, and they were going after various
people," said Cary Hendricks, a computer intelligence specialist who spent
six years contracting at JTI. "Once they had gathered enough proof, they
called in the cavalry (notifying senior executives). Then just like that, Dave
and Craig were fired – a totally unexpected turn of events."
"At that point, the entire culture of JTI
investigations changed. You had this extremely professional, experienced team
working together and sharing a lot of information," said Hendricks.
"There was a buzz in the office, and they were doing great work. And they
were replaced by what appeared to be a bunch of office workers who would show
up, sit at their computers and do nothing as far as real investigations. It was
sad to see."
They were replaced in part by former employees of the
Gallaher Group, which JTI bought in 2007. Gallaher, a British company, was
implicated repeatedly in smuggling operations and helped smugglers evade more
than $1.5 billion in customs tax in Great Britain in the early 2000s, according
to a lengthy UK court case.
"You have to ask yourself how serious they are
when they bring in people from Gallaher to take over," said a former
employee who had knowledge of both companies. "The culture in Gallaher was
very much, ‘Let's not get caught, but if we do get caught, be prepared to
defend ourselves.' They didn't take steps to stop smuggling, just to insulate
themselves when it came out."
Destroying Documents
Burning damaged cigarettes.
Tobacco is the world's most smuggled legal product, in
large part because profits are huge and penalties weak. Smugglers ship
containers of tobacco from areas with low taxes such as Russia and Ukraine, or
from duty free spots in Dubai and Panama, to high-tax countries in Western
Europe and North America. A single container of cigarettes can bring a $1
million profit.
Unlike counterfeiting, smuggling actually benefits
tobacco makers. High taxes sharply curtail smoking, studies have shown, so
smuggled goods keep them affordable, creating new consumers and sustaining old
ones. Smuggling cost government budgets throughout Europe about $14 billion per
year in tax revenues, according to a June, 2011 report by the European
Commission.
Since the mid-1990s, major cigarette companies have
repeatedly been implicated in working with criminal groups to smuggle
cigarettes, feeding billion-dollar black markets in contraband smokes. In the
past eight years, tobacco makers have paid at least $5 billion in fines and
signed agreements to stop participating in the illicit trade. JTI signed a
compact with the European Commission in 2007 obliging it to crack down on smuggling
and put in place what it called a "zero tolerance policy," toward
illicit shipments.
But evidence from JTI records suggests the company has
been less than compliant with the EC agreement. In March, 2010, a private
investigator in Belgrade compiled a computer spreadsheet from law enforcement
sources listing the names and phone numbers of businesses and individuals
worldwide who had shown up in the records of a large-scale smuggling operation
conducted by European police agencies. It included 13 JTI employees and
distributors.
The Serbian list raised troubling questions. First,
the compliance team wanted to know if the investigator, on contract with JTI,
bribed law enforcement officials for the information, or was it passed on as a
tip to be investigated. Once they decided the document came legally, they would
investigate the 13 named employees and contractors, according to company e-mails.
That never happened. Nigel Espin, the director of
corporate security who came over from Gallaher, expressed concern about
possessing proprietary police information and in a March 10, 2010 e-mail ordered
the document returned to the contractor and the investigation halted. He also
ordered the document listing the employees and contractors deleted from all
records and the JTI computer system. The next day, Chief of Compliance Jean-Luc
Perreard confirmed the
order to end the investigation.
Michael Padilla, a JTI contractor who ran undercover
operations in Iraq and around the Middle East, said the company was obsessed
with gaining market share.
"At first I had a honeymoon phase and was free to
go after smugglers in certain areas, but soon it became very apparent that they
had relationships with some of the smugglers I was going after,'' Padilla said.
"JTI was trying to protect their market share. Market share, and
controlling Iran and the Middle East, was the number one priority for them.''
Similar conflicts took place at JTI's offices around
the world. In Russia, JTI investigators reported that alleged mobsters had
financial stakes in some of JTI's largest Russian distributorships, according
to company e-mails and auditing reports.
JTI investigators and quality control officers in
Russia and the Baltics detailed massive smuggling by distributors, particularly
of its St. George Brand. But no action was taken, according to internal memos
filed by investigators in Russia and by Reynolds, the former brand integrity
chief.
Zero Tolerance?
Helping fuel Japan Tobacco‘s growth over the past
decade was its purchase of two companies long accused of smuggling, Gallaher
and RJR Reynolds.
The governments of Canada and Ecuador sued RJR in the
1999 under U.S. anti-racketeering laws, claiming that the company actively
smuggled. The European Commission filed a separate
suit, accusing high level RJR executives of knowingly
accepting criminal proceeds and laundering money with drug cartels in South
America, working with terrorists in Northern Iraq and of breaking trade
embargos to ship cigarettes to Iraqi dictator Saddam Hussein's government. U.S.
judges dismissed all lawsuits, saying they didn't have jurisdiction over
foreign tax matters.
But between 2003 and 2007, Canada’s Royal Mounted
Police and revenue collectors filed fraud charges against JTI-McDonald
(formerly RJR-McDonald, the company’s Canadian division) and some of its
executives for evading more than $1.36 billion of taxes in 2003 alone.
After a series of court judgments – JTI actually filed
for court protection against creditors in 2004 after Canada won a $1 billion
award – RJR and JTI-MacDonald agreed
to pay about $475 million in 2010.
Gallaher was equally notorious. In 2005, Gallaher
fired a distributor it accused of smuggling tobacco. The distributor filed a
lawsuit, saying Gallaher systematically engaged in smuggling. Gallaher won its
lawsuit, but testimony and a judge's final order dismissing the lawsuit harshly
rebuked Gallaher.
In testimony for the civil lawsuit, a
former director of Gallaher, Norman Jack, testified the company routinely
enabled smuggling and adopted a culture of "willful blindness".
Against that backdrop JTI adopted what it called a
zero tolerance policy on smuggling in 2007, the same year it acquired Gallaher.
It also entered into a binding agreement with the European
Union calling for it to spend $400 million on
anti-smuggling measures over the next 15 years, and implemented steep fines for
violations. Under the terms of the pact the company agreed train its employees,
and enforce a broad strategy to crack down on illicit shipments.
JTI Chief Executive Officer Thomas McCoy and Paul
Bourassa, a senior vice president charged with regulatory and compliance
issues, outlined the procedures in a memo to employees on Aug.
16, 2007. Both men had been senior executives at RJR when it was accused of conspiring
with smugglers.
"In light of the recent acquisition of the
Gallaher group, steps were rapidly taken to ensure that certain practices that
could potentially run afoul of JTI's Code of Conduct were addressed," the memo said.
"JTI's is committed …. to act swiftly and decisively in stopping actual or
potential illegal sales of its product will be acted upon."
Anton Stanaj from JTI distributor Rokšped
being arrested at Belgrade airport.
Despite the announcement, incidents of wrongdoing by
JTI's distributors were reported almost monthly during 2009-10, according to company records, but
former employees said no action was taken in the most profitable areas. The
records show that investigators suspected tens of millions of cigarettes were
being diverted to smuggling operations in Russia and the Middle East and
elsewhere, often with the help of JTI's own distributors.
In Montenegro, Rokšped served as JTI's distributor for
the Montenegro, and remains so today, despite a 2007 arrest and a recent conviction for
cigarette smuggling of Anton Stanaj, a member of the powerful family that runs
Rokšped.
Dubbed operation "Memphis" -- after a
pre-JTI Gallaher brand-- the Balkan police operation tracked shipments of
cigarettes from China, Dubai and other countries to Montenegro and on to the EU
through Rokšped and other companies. According to the indictment, Stanaj
used Rokšped as the smuggling base of operations.
Stanaj was convicted in May this year in Belgrade and
sentenced to six-and-a-half years in
prison. Rokšped is still JTI's partner in Montenegro according to the firm's
website, and Stanaj is appealing his conviction.
Representatives of Rokšped and the Stanaj family did
not respond to six telephone messages and five e-mails from OCCRP.
JTI also continued, and in fact expanded its
relationship, with another alleged smuggler, IBCS Trading. In 2002, the
European Union filed a lawsuit accusing IBCS of being a “co-conspirator” with
RJR Reynolds in smuggling operations. A U.S. judge tossed out the lawsuit, citing
a 100-year old law barring U.S. courts from hearing revenue disputes of other
governments.
In 2001, JTI and Issa Audeh, owner of IBCS, went into
business together to form JT International in Jordan, according to the
Audeh-Group website.
JTI investigators in the
Middle East and Asia documented what they called widespread smuggling by IBCS
to Iraq, Iran Cyprus and elsewhere during 2009-2010.
IBCS did not respond to four telephone calls from
OCCRP. An e-mail sent through the company's website – at the request of an IBCS
official – received no response.
Hacked Computers
Smuggling in Oman.
At the center of the investigations was David
Reynolds, who ran JTI's Asian-Pacific office of Brand Integrity for four years
before being promoted to oversee global operations at the end of 2008.
A former analyst for the U.S. Central Intelligence
Agency, Reynolds is brusque and demanding, according to several former JTI
employees. He saw things in terms of black and white, good and bad, and clashed
with executives who were interested only in superficial investigations, they
said.
He quickly assembled a team of investigators, some of
whom he had worked with before, others he knew only by reputation. By early
2010, the team was running an extensive undercover operation in Iraq and
Kurdistan, and had broadly expanded the company's investigative capabilities.
As the investigators compiled information on Audeh
Group, ICBS, and others, the staff also uncovered evidence that its computers
were being hacked. Cary Hendricks, a computer security specialist who spent six
years as a JTI contractor, found a unique sort of "Trojan horse" had
infected the team's computers and allowed hackers to see what each operative
was writing, according to company e-mails.
Hendricks traced the hacking to an empty warehouse in
Mexico and eventually to a Canadian company, another JTI contractor whose staff
includes former members of the CIA and French intelligence, according to
company e-mails and memoranda. Invoices obtained
by OCCRP show that JTI paid $300,000 to the Canadian company.
According to a November 2009 memo, Senior Vice
President Mark Mulvey admitted ordering some of the hacking. Mulvey also
ordered another company executive, Willem Van Aldrichem, to shut down all
investigations of Audeh and IBCS, according to a secretly tape recorded conversation
between JTI employees on Jan. 10, 2010.
By the spring of 2010, relations between the
investigative team and its superiors had soured to the point where only one
side would survive, according to interviews with several people involved in the
investigations. On April 10, Reynolds made his pitch in a letter to Ryuichi
Shimomura, the chief legal officer of the parent company.
"… JTI management has not lived up to the
‘zero-tolerance policy' … and, in those cases that touch on smuggling into or
via the European Union, has specifically and repeatedly violated (its
obligations under the European Commission agreement of 2007)." Reynolds wrote.
"In a few cases sensitive information from (brand integrity)
investigations has even been passed back to the smugglers themselves by unknown
persons in the company."
Reynolds asked for support. Instead, he was gone.
Other contractors were fired or phased out, and many accepted large settlement
payments and signed confidentiality agreements.
Following his dismissal, Reynolds went to work at FBI
headquarters in Washington, D.C., where he is a senior analyst on organized
crime.
In an e-mail to OCCRP, FBI press officer Amy J.
Thoreson said the agency would not allow Reynolds to comment for the story.
Several other fired investigators were quickly snapped
up by executives at rival companies. One senior investigator ousted with
Reynolds said he turned down a JTI severance package worth $100,000 because it
meant signing a non-disclosure agreement. "I have to look at myself in the
mirror," he explained.
He asked to remain anonymous because he is now working
for a rival company.
"I don't think they knew what they were getting
into when they hired Dave," the investigator said. "For years they
had people who were content to collect their money and not do anything. That's
how the game worked."
"And suddenly we come in and start doing real
investigations and uncovering a lot of smuggling," he said. "They
didn't like what we were doing, and we didn't like what they were doing. It was
great for a few months, but it couldn't last. They just didn't want us to do
our jobs."
Reported and written by John
Holland, Bojana Jovanović and Stevan Dojčinović for OCCRP
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