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第3巻第1号PDF版はこちらです (5,869KB) |
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《原著論文》 | |||||||||||||||||||
タバコの適正価格について | |||||||||||||||||||
関西学院大学経済学部 河野正道 |
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《原著論文》 | |||
3か月の禁煙保険治療終了時の治療効果と今後の課題 | |||
栗岡成人1、師岡康江1、吉井千春2、稲垣幸司3、瀬在 泉4、加濃正人5
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Efficacy and ongoing problems in a three-month smoking cessation program established under the public health insurance system in Japan Narito Kurioka1, Yasue Morooka1, Chiharu Yoshii2, Koji Inagaki3, Izumi Sezai4, Masato Kano5 We evaluated sixty-one outpatients who visited the smoking cessation clinic at Johoku Hospital from April 1st 2006 to March 31st 2007. A profile of the patients is as follows: 35 male and 26 female, from 28 to 74 years old, (mean ± SD; 51.7±13.2), age of starting smoking from 13 to 58 years old, (22.9±8.2), number of cigarettes per day from 8 to 90, (mean number 27.6), smoking index(number of cigarettes per day×years of smoking) from 200 to 2520, (767.2±469.0), TDS(Tobacco Dependence Screener) from 5 to 10, (7.8±1.5), FTQ (Fagerström Tolerance Questionnaire) from 3 to 10, (6.1±1.9), KTSND (The Kano Test for Social Nicotine Dependence ) from 3 to 28, (15.1±4.9), CO concentration from 4 to 78 ppm, (25.5±14.5 ppm). The starting age of smoking was significantly higher in females and the smoking index and the values on the KTSND were significantly lower in females. The number of patients who completed three-month session was 38(62.3%), whereas 23(37.7%) patients did not. Among the patients who completed the sessions, 29 quit smoking, that is, the success rate at the end of the treatment was 47.5%. Comparing the successful group to the unsuccessful group, the number of consultations was significantly lower and the number of cigarettes per day was significantly higher in the unsuccessful group. The methods of smoking cessation treatment still leave room for improvement. With regard to public funding for treatment, there are several problems. Under the guidelines of the health insurance system, inpatients and younger patients are not allowed to receive treatment and patients who fail to quit aren’t allowed to receive further treatment for one year. It is advisable that these restrictions be lifted in order for the smoking cessation treatment to successfully spread in Japan. Key words: smoking cessation, health insurance system, smoking cessation rate, The Kano Test for Social Nicotine Dependence (KTSND) 1. Johoku Hospital, Kyoto, Japan 2. Division of Respiratory Disease, University of Occupational and Environmental Health Japan, Kitakyushu, Japan 3. Department of Dental Hygiene, Aichi-Gakuin University Junior College, Nagoya, Japan 4. Master's Program in Health and Physical Education, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan 5. Shinnakagawa Hospital, Yokohama, Japan |
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《原著論文》 | |||||||
高校生の喫煙に対する認識と禁煙教育の効果 | |||||||
遠藤明1,9, 加濃正人2,9, 吉井千春3,9, 相沢政明4,9, 国友史雄5,9, 磯村毅6,9, 稲垣幸司7,9, 天貝賢二8,9
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《原著論文》 | |||||||
『健康教育県SAGA「全ての中学生に防煙教育を!」』の取り組み | |||||||
佐藤智丈1、徳永 剛1、樗木 等1、内田有美2
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《資 料》 | |||||
日本の鉄道の禁煙化の歴史と今後の対策について | |||||
かもめ歯科 清水央雄 |
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キーワード:禁煙車、受動喫煙、利用者の声 <近距離列車の禁煙化の歴史> 日本の鉄道の禁煙化は諸外国に比較すると、かなり遅れている。ただし、近距離列車に限ると、比較的早くから禁煙化が進んだ。 当初は東京電車鉄道という私鉄で、のちに東京市が買収した東京市電は1903年8月22日に開業したが、早くも翌1904年2月18日には禁煙になり、さらに同年、京浜電車(現・京浜急行電鉄)も禁煙になった。1) 京浜電車はその後、ふたたび喫煙可能になった時期もあるものの、1910年からは完全に禁煙になった。 1) また、1908年には新橋~横浜・横須賀・国府津間の鉄道院線(現・JR)の急行に禁煙車が登場した。1) 山手線、中央線などの院電(のちに省電→国電→E電と名称を変更する)は、1919年から全車禁煙になった。1) <近距離列車が早い時期に禁煙になった理由> 近距離列車が比較的早く禁煙化したのは、近距離列車だと、ロングシートの車両が多く、また、立席もある構造であるため、ロングシートに座った乗客が喫煙すると、目の前の立席にいる乗客の顔面へ煙が流れて、非常に不快なことや、混雑時は火傷の恐れがあることや、灰皿を設置するのが困難なことから火災の懸念もあることが理由として考えられる。 もちろん、立席の乗客が喫煙すると、さらに危険が増すことは容易に想像できる。 実際、1903年9月21日の読売新聞のコラム「イロハ便」に「乗合馬車にて喫煙し火と煙と灰とを以て他人に迷惑を及ぼすを意とせざる者」を厳しく非難し、法律で取り締まるべきだと主張したことや、同年12月7日付の同紙社説「電車に対する要望」で、「車室内で煙草は吸はぬやうにすること」と述べている1) など、鉄道(馬鉄等を含む)の禁煙化の世論が初期からあったのではないだろうか。 また、1923年には軌道運輸規程で市街電車は法的に禁煙が義務づけられた。
<長距離列車の禁煙化の歴史> 一方、長距離列車(国鉄特急列車)に禁煙車が登場したのは1976年、東海道新幹線こだま号で、全国の特急に拡大したのは1982年だった。しかし、どの特急列車も自由席に1両しか禁煙車がなく、指定席車に禁煙車が登場したのは新幹線、在来線ともに1985年だった。TGV(フランス新幹線)は開業した1981年では、10両編成のうち6両が禁煙車であるなど、この時代、すでにヨーロッパ各国では禁煙車の導入が十分進んでいたにもかかわらず、日本の特急列車は、1編成に1両あるかどうかというレベルであった。 欧米では、かなり早くから長距離列車に禁煙車が登場したと言われているが、その歴史に関する資料は乏しく、いつからどの程度禁煙車が普及したのかの詳細は現在のところわからないが、トーマスクック・ヨーロッパ時刻表日本語版・1993年12月版には、以下のような記述があり、日本とは大きな違いがあったと思われる。
日本の特急列車の半数の車両が禁煙車になったのは、1997年頃であった。3) <長距離列車の禁煙化が日本で遅れた理由> 日本で対策が遅れた理由は、欧米では古くから女性の前での喫煙に対して配慮する習慣があったと言われており、実際、1909年にドイツ陸軍省が、婦人列席の場での喫煙を禁じる軍人禁煙令を出すなど、早くから非喫煙者へ配慮する社会であったのに対し、日本ではそのような意識が希薄だった可能性が考えられる。 また、ヨーロッパの列車は、かつてはコンパートメント車(6~8人程度の相席の個室車)が大半で、個室で喫煙するとタバコ煙の充満がひどいことや、個室単位で分煙が容易であることなども、分煙が進んだ理由ではないかと考えられる。 <日本の鉄道の現況> 現在、JR北海道とJR東日本では一部を除いて全席禁煙となったが、JR東海・JR西日本・JR九州では喫煙車が数多く残っているし、JR四国は08年3月から全席禁煙となるものの、ほとんどの特急に喫煙コーナーを設置することになっており、日本の鉄道の完全禁煙化は、まだまだ先のことになる。 欧米の多くの国やタイ、台湾、韓国、ニュージーランド、オーストラリアなどはすでに鉄道の完全禁煙が実現しており、遅れていたドイツでも、2007年9月1日から完全に禁煙になった。 依然として日本の鉄道の対策が、諸外国から比べて遅れたままである。 <分煙の問題点> 体験された人も多いと思うが、喫煙車から通路を伝わってタバコ煙が禁煙車に流れ込むため、禁煙車なのにタバコ臭いという現象が、しばしば見られる。航空機が分煙不可能であるのと同様、鉄道も同一編成列車内での分煙は不可能であり、鉄道車両は完全に禁煙にする必要がある。4) どうしても分煙に拘るのであれば、気密性の極めて高いドアを用い、ドアに施錠し、車両間を通り抜け禁止にするしかないだろうが、仮にそうしたとしても、全ての問題が解決できるわけではない。分煙では、喫煙車に立ち入る乗務員や車内販売員などに受動喫煙を引き起こすし、喫煙車希望者に付き合って(付き合わされて)喫煙車に乗車する非喫煙者もいる。 また、禁煙車が満席で、仕方なく喫煙車を利用するケースも多々あるなど、分煙では非常に多くの問題がある。東海道山陽新幹線では、16両編成のうち4両が喫煙車、12両が禁煙車であるが、喫煙車に接する禁煙車がタバコ汚染されるため、実質的には禁煙車は7両しかないことになる。 2007年7月に登場した新型の東海道山陽新幹線車両であるN700型は全席禁煙であるが、車内4箇所に喫煙コーナーを設置している。このため、喫煙コーナーからタバコ煙が漏れるのと、喫煙直後の喫煙者の肺からタバコ煙が吐き出されることによって、客室内にタバコ煙が充満する深刻な事態となっている。このため、日本禁煙学会では、07年10月、JR東海に申し入れを行った。5) <今後の対策> 今後、鉄道の完全禁煙化を進めるには、法律で公共機関の禁煙化を制定するのが最善だろうが、タバコ税収入を優先する政策をとり続ける日本政府には、その方法はあまり期待できず、実現したとしても時間がかかると思われるため、禁煙学会などからの申し入れなどの組織的な活動の他、利用者が利用者の立場で地道に要望活動を行う草の根の活動が非常に重要である。 JR各社の中ではJR北海道が真っ先に全面禁煙(本州方面への列車を除く)を打ち出したが、これは、利用者からタバコに関するクレームが多かったため、乗客にアンケートを実施したところ、全車両禁煙・禁煙車拡大賛成が45%、喫煙車拡大賛成が15% という結果をもとに検討した結果である。6) このように、利用者が声を出すことは非常に重要である。なお、2004年10月にJR北海道が、「2~3年後をめどに全車禁煙化する」と発表 したが、実際はかなり前倒しし、1年5ヶ月後の06年3月に実施した。JR東日本のホームページで、全面禁煙化に際して利用者へ「ご理解とご協力をお願いします」と書かれた文章のなかに「列車という限られた空間では、扉の開閉により禁煙車に煙が流入するなど、受動喫煙がなくならないというご意見を多数いただいておりました。」とある通り、これもまた多くの利用者が声をあげたことが大きく影響したと思われる。 以下、JR各社の要望先を記しておくので、是非、多くの声を出してほしい。 JR北海道・お客様の声を聴く相談室 011-700-5733 Fax 011-700-5734 https://www.jrhokkaido.co.jp/mailform/mail1-2.html JR東日本・お客様相談室(東京駅) 03-3240-5587 http://www.jreast.co.jp/info/voice.html https://voice2.jreast.co.jp/user_input.aspx JR東海・サービス相談室 050-3772-3910 https://jr-central.co.jp/orgbox.nsf/post JR西日本・お客様センター 0570-00-2486、078-382-8686 https://kikuzo.westjr.co.jp/cgi-bin/kikuzo.cfg/php/enduser/cci/form_kikuzo.php JR四国・総務課087-825-1636 https://www.jr-shikoku.co.jp/uketuke/mail/question.asp?id=8 JR九州・電話案内センター092-471-8111 http://www.jrkyushu.co.jp/faq/q_and_a/train/index.jsp |
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文献 1) 明治の読売新聞CD-ROM 、 読売新聞社1999年11月1日発行 2) ThomasCook EUROPEANTIMETABLE December1993 ThomasCookLTD.PeterboroughEngland日本語版 地球の歩き方編集室 翻訳・編集 1994年1月10日発行 3) JTB時刻表列車編成表 1997年1月号及び1998年1月号、 JTB日本交通公社出版事業局 1997年1月1日及び1998年1月1日発行 4) 大和浩: 受動喫煙を防ぐには-乗り物の場合.禁煙学会編.禁煙学.初版.南山堂,東京,2007;p35-36. 5) http://www.nosmoke55.jp/action/0710jr_toukai.html 6) 北海道新聞記事、2004年10月13日 |
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《資 料》 | ||||
国際学会・会議報告 第8回アジア・太平洋タバコ対策会議に参加して |
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《WAT特集》 | |||||||||||
WALK AGAINST TOBACCO 2006 WEEK 8 REVISITED |
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Mark Gibbens |
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参考サイト:Walk Against Tobacco 2006 (Galleryにいろいろな写真があります) ※WAT:WALK AGAINST TOBACCO |
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日本禁煙学会の対外活動記録 (2007年12月・2008年1月) |
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