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国際ガン研究機関(IARC) Handbooks of Cancer Prevention第13巻作業部会の特別報告 屋内完全禁煙化政策の有用性 |
2008年(平成20年)9月8日 |
この文書は、2008年7月30日にLancet誌広報担当Tony
Kirby氏が発表しLancet Oncology7月号に掲載された。http://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470204508701670/fulltext
国際ガン研究機関(IARC) Handbooks of Cancer Prevention第13巻作業部会の特別報告 屋内完全禁煙化政策の有用性
屋内のタバコ煙にはベンゼン、1,3ブタジエン、ベンツピレン、4-1-1ブタノンなどの発ガン物質が含まれている。1 受動喫煙によって大人に肺ガン、心血管疾患、こどもと大人に呼吸器疾患、乳幼児突然死がもたらされることは、今や自明のこととなっている。2 屋内完全禁煙化政策は、受動喫煙の悪影響から人々を守る法的措置をはじめとする諸対策のことであり、世界保健機関タバコ規制枠組条約(FCTC)の本質的部分を構成している。 屋内禁煙化政策の効果を検証するために、2008年3月31日から4月5日まで世界9カ国の17人の科学者が参加する作業部会がフランスのリヨンにある国際ガン研究機関(IARC)で開催された。この作業部会の委員は、さまざまな専門領域と地域を網羅し、世界保健機関の利害相反に関する申告制度に照らして、明らかな利害相反がないことが確認された人物が選ばれた。3 作業部会は、屋内完全禁煙政策に関する査読を受けた論文や入手可能な政府報告についての包括的な評価を開始した。この評価作業には、これらの政策の個別内容の違い、順守状況、受動喫煙曝露低下効果、能動喫煙習慣に及ぼす影響などが含まれた。この評価結果は、IARC Handbooks of Cancer Prevention第13巻として出版される予定である。4 この評価作業の結果、作業部会は因果関係の存在する可能性のある11項目の結論をまとめた。証拠の重みについての総合的な評価により、因果関係があると判定された項目は「sufficient(十分な証拠あり)」、関連に整合性があるが、因果関係の存在についての証拠が十分でない場合「strong(強い証拠あり)」と分類した。IARCハンドブックには、900以上の参考文献が引用されているが、ここでは、それぞれの項目の評価判断のカギとなる代表的な所見を紹介する。 屋内完全禁煙政策の効果に関する研究をまとめると、高度な受動喫煙曝露のある場所で80-90%、平均して40%受動喫煙が減ることが明らかになった。5 家庭での受動喫煙が増加するおそれのないことも証拠の重み評価で明らかになった。規制実施前に最も高度な受動喫煙が生じていた分野の職場において受動喫煙低下率が最も大きかった。10年以上の追跡を行った研究の結果、屋内完全禁煙実施直後に見られた曝露低下効果は、時間が経過しても持続することがわかった。6 この証拠から、作業部会は、「屋内完全禁煙化を実施すると受動喫煙が大幅に低下するということについて十分な証拠がある」と結論した。 職場が禁煙になった場合、労働者の1日喫煙本数が2-4本減ることが明らかになった。7 この喫煙量の減少が、タバコ依存を減らしてその後の禁煙成功をもたらす証拠は明らかでないが、短期間でも喫煙量が減るなら、その後の禁煙成功率が高まるという知見を示した報告も存在する。これらの知見から「職場の禁煙化により習慣的喫煙者の喫煙量が低下するという十分な証拠が存在する」という結論が得られた。 職場の完全禁煙化が実施された場合、喫煙率が減り、禁煙成功率が高まるという一致した結果が一般住民を対象とした多くの調査で得られている。これらの調査の多くが横断調査であるため、職場の禁煙化によって喫煙量が減るかどうかを予測することはできないが、そのような効果があったことを明らかにした調査が2件存在する。ひとつは、同じ業種における労働者数の等しい職場における労働者の喫煙習慣の変化を観察した調査であり、もう一つは、喫煙習慣の変化に影響する可能性のある労働者や職場の特性を十分に補正した調査である。7,8 分煙は完全禁煙化よりも悪い(効果が劣る)ことが、すべての研究調査で指摘されている。作業部会は「職場の完全禁煙化は大人の喫煙率を減らすという強い証拠がある」との結論を述べている。 職場と公衆の集まる場の完全禁煙化が広い範囲でしっかり実施されると、若者の喫煙率が減る。9 屋内完全禁煙化が実施されると、喫煙依存となって年数が浅い人々のニコチン依存症が重くなる機会が減るため、この効果がもたらされたと考えられる。この知見から「屋内完全禁煙化により若者のタバコ使用が減ることを示す強い証拠がある」という結論が引き出された。 屋内完全禁煙化により、従業員の健康と生産性が向上し、保険料、清掃、メンテナンス、受動喫煙被害による訴訟費用などの営業経費が節約できることが証明されている。包括的屋内禁煙化を実施することによって、レストランやバー業界が経済損害を受ける事態は生じていない。10 これらの知見から「屋内禁煙化政策がレストランおよびバー業界に経済的損害を与えることはなかったという十分な証拠がある」という結論が引き出された。 屋内完全禁煙化により、呼吸器症状(喘鳴、咳など)や刺激症状(上気道、目など)が速やかに消失することが多くの調査で明らかになっている。11 接客サービス産業従業員は屋内完全禁煙化により健康上の利益を受けている。以上より「屋内完全禁煙化が労働者の呼吸器症状を減らすという十分な証拠がある」との結論が引き出された。 屋内完全禁煙化を実施した初年度に、急性心筋梗塞による入院数が10-20%減ったことが多くの調査で明らかにされているが、この変化が、屋内完全禁煙化政策によって喫煙行動が変わり、非喫煙者の受動喫煙曝露低下をもたらしたという直接効果によると証明することはできず12、また、出版バイアスの関与も否定できないとはいえ、以上から「屋内完全禁煙化法施行によって心臓病罹患率が減少したことを強く支持する証拠がある」という結論が引き出される。 発ガン物質にさらされてから肺ガンが発病するまでには20年以上の年月が必要である。今のところ、多くの屋内禁煙化対策が実施されている期間はそれよりずっと短い。しかも、こうした対策と肺ガン発生率変化との関連を実証することは難しいと考えられる。なぜなら、ガンの罹患統計には喫煙状態のチェックが義務付けられていないのが普通であるため、肺ガンが減ったと言っても、受動喫煙が減ったためか、能動喫煙者が減ったためかを区別することができないからである。作業部会は「受動喫煙と肺ガン発生の間には長い潜伏期があるため、今のところ屋内禁煙化対策と予測される肺ガン減少を検討できるデータはない」と述べている。 自宅内を禁煙と決めている場合、職場や公衆の集まる場所の完全禁煙化が実施されると、喫煙者が同居する家庭における受動喫煙曝露は減少する。13 両親を禁煙させるための介入や働きかけ活動よりも、家庭内を禁煙にすることの方が、こどもの受動喫煙を減らすのに大きな効果がある。したがって「自宅を完全禁煙とする自発的対策によりこどもの受動喫煙を確実に減らすことができるという証拠がある」と結論付けている。 自宅を禁煙にすると、喫煙量が減り、禁煙成功率が高まることが多くの調査で一致して示されている。14 自宅禁煙化が大人の喫煙を減らす効果は、職場の完全禁煙化よりも大きいことが一致して示されている。作業部会は「自宅の禁煙化には大人の喫煙を減らす確実な効果がある」と述べている。 いくつかの断面調査では、親がタバコを吸わず、自宅も禁煙である場合、そのこどもがタバコに手を出す危険は、自宅が禁煙でないこどもに比べて小さいことが示されている。15 現在進行中の追跡調査の成績はまだ発表されていない。以上より「自宅の禁煙化がこどもや若者の喫煙を減らす可能性があることを強く示唆する知見がある」と述べている。 これらの証拠の検討に基づき、作業部会は、各国政府に対して、FCTC第8条のガイドラインに合致する屋内完全禁煙法令を制定し実施するよう勧告した。3 この方針が実現されるなら、完全禁煙の屋内環境が拡大されることにより、住民全体に大きな望ましい効果がもたらされる。受動喫煙曝露の減少により非喫煙者の健康が守られるという目的が実現されるだけでなく、タバコを吸う人々の禁煙を促進し、健康改善につながる多くの効果がもたらされるだろう。こうした対策がFCTCに述べられている諸分野における包括的タバコ規制戦略の一環として実施されるなら、これらの健康増進上の効果はさらに大きくなるだろう。これまでに発表された調査研究のほとんどは先進国におけるものである。本作業部会は、中進国、発展途上国における屋内完全禁煙化対策の効果を評価できる多数国サーベイランスシステムを確立すべきことを勧告する。
IARC Handbook Volume 13 作業部会ならびにIARC事務局を代表して John P Pierce(University of California, San Diego, California, USA) María E León(Tobacco and Cancer Team, Lifestyle, Environment and Cancer Group, IARC)
著者らの利害相反 : なし.
【引用文献】 1 IARC. IARC monographs on the evaluation of carcinogenic risks to humans. Volume 83. Tobacco smoke and involuntary smoking. Lyon, France: International Agency for Research on Cancer, 2004. 2 US Department of Health and Human Services. The health consequences of involuntary exposure to tobacco smoke: a report of the Surgeon General. Washington: US Department of Health and Human Services, 2006. 3 WHO (2003). WHO framework convention on tobacco control (WHO FCTC). http://www.who.int/tobacco/framework/en (accessed June 6, 2008). 4 IARC. IARC handbooks of cancer prevention: tobacco control. Volume 13. Evaluating the effectiveness of smoke-free policies. Lyon, France: International Agency for Research on Cancer (in press). 5 Haw SJ, Gruer L. Changes in exposure of adult non-smokers to secondhand smoke after implementation of smoke-free legislation in Scotland: national cross sectional survey. BMJ 2007; 335: 549. 6 Al-Delaimy WK, White MM, Trinidad DR, et al. The California tobacco control program: can we maintain the progress? Results from the California Tobacco Survey, 1990–2005. Sacramento, CA: California Department of Public Health, 2008. 7 Evans W, Farrelly M, Montgomery E. Do workplace smoking bans reduce smoking? Am Econ Rev 1999; 89: 728–47. 8 Farrelly MC, Evans WN, Sfekas AE. The impact of workplace smoking bans: results from a national survey. Tob Control 1999; 8: 272–77. 9 Tauras J, Chaloupka F. Price, clean indoor air laws, and cigarette smoking: evidence from longitudinal data for young adults. NBER Working Paper Series, Working paper #6937. Cambridge, MA: National Bureau of Economic Research, 1999. 10 Eriksen M, Chaloupka F. The economic impact of clean indoor air laws. CA Cancer J Clin 2007; 57: 367–78. 11 Goodman P, Agnew M, McCaffrey M, Paul G, Clancy L. Effects of the Irish smoking ban on respiratory health of bar workers and air quality in Dublin pubs. Am J Resp Crit Care Med 2007; 175: 840–85. 12 Barone-Adesi F, Vizzini L, Merletti F, Richiardi L. Short-term effects of Italian smoking regulation on rates of hospital admission for acute myocardial infarction. Eur Heart J 2006; 27: 2468–72. 13 Wipfli H, Avila-Tang E, Navas-Acien A, et al. Secondhand smoke exposure among women and children: evidence from 31 countries. Am J Public Health 2008; 98: 672–79. 14 Shields M. Smoking-prevalence, bans and exposure to second-hand smoke. Health Rep 2007; 18: 67–85. 15 Farkas AJ, Gilpin EA, White MM, Pierce JP. Association between household and workplace smoking restrictions and adolescent smoking. JAMA 2000; 284: 717–22.
【翻訳者による要点抽出】 国際ガン研究機関の専門的作業部会が行った包括的レビューによって明らかになった屋内完全禁煙化によってもたらされる効果とその確実度は以下のとおりである。
1. 屋内完全禁煙化を実施すると受動喫煙が大幅に低下するということについて十分な証拠がある 2. 職場の禁煙化により習慣的喫煙者の喫煙量が低下するという十分な証拠が存在する 3. 職場の完全禁煙化は大人の喫煙率を減らすという強い証拠がある 4. 屋内完全禁煙化により若者のタバコ使用が減ることを示す強い証拠がある 5. 屋内禁煙化政策がレストランおよびバー業界に経済的損害を与えることはなかったという十分な証拠がある 6. 屋内完全禁煙化が労働者の呼吸器症状を減らすという十分な証拠がある 7. 屋内完全禁煙化法施行によって心臓病罹患率が減少したことを強く支持する証拠がある 8. 受動喫煙と肺ガン発生の間には長い潜伏期があるため、今のところ屋内禁煙化対策と予測される肺ガン減少を検討できるデータはない 9. 自宅を完全禁煙とする自発的対策によりこどもの受動喫煙を確実に減らすことができるという証拠がある 10. 自宅の禁煙化には大人の喫煙を減らす確実な効果がある 11. 自宅の禁煙化がこどもや若者の喫煙を減らす可能性があることを強く示唆する知見がある
【原文】http://dev.ersnet.org/uploads/Document/62/WEB_CHEMIN_3224_1215093687.pdf Special Report: Policy Effectiveness of smoke-free policies Second-hand smoke contains car-cinogens, such as benzene, 1,3-butadiene, benzo[a]pyrene, and 4-(methylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone.1 Inhalation of second-hand smoke is now well documented as causing harm to health, including lung cancer and cardiovascular disease in adults, respiratory disease in adults and children, and sudden infant death syndrome.2 Smoke-free policies include legislative and other measures to protect against harmful exposure to second-hand smoke and are an integral part of the World Health Organization Framework Convention for Tobacco Control (WHO-FCTC).3 From March 31 to April 5, 2008, a Working Group of 17 scientists from nine countries met at the International Agency for Research on Cancer (IARC), Lyon, France, to assess the evidence for the effectiveness of such policies. Members of the Working Group were selected on the basis of their expertise, geographical representation, availability, and absence of declared real or apparent conflicts of interest, on the basis of the completed WHO’s declaration-of-interest form. The Working Group started with a comprehensive assessment of the peer-reviewed published work and accessible governmental reports on the effects of such policies. This assessment included an outlining of different vari-ations in these policies, a review of population attitudes to and compliance with such policies, and an analysis of the effectiveness of these policies in decreasing second-hand smoke ex-posure and modifying smoking behav-iours. This assessment will be published as Volume 13 of the IARC Handbooks of Cancer Prevention series.4 As a result of this assessment, the Working Group proposed 11 potentially causal statements. When assessing the weight of evidence for these statements, the highest classification of “sufficient” suggests that the association was judged to be causal; a lesser classification of “strong” sug-gests that the association is consistent, but evidence of causality is limited. Although the IARC Handbook contains a full bibliography of over 900 refer-ences, only exemplar references are cited here to anchor the assessment of evidence for each statement. Studies of the effects of smoke-free policies consistently show that exposure to second-hand smoke is decreased in high-exposure settings by 80–90% and can lead to widespread decreases in exposure of up to 40%.5 The weight of evidence suggests that such policies do not increase exposure to second-hand smoke in homes. The greatest decreases in workplace second-hand smoke exposure occur in subpopulations that had the highest exposures prelegislation. A study with more than 10 years’ follow-up has shown that early decreases in exposure are not reversed over time.6 From this evidence, the Working Group concluded “there is sufficient evidence that implementation of smoke-free policies substantially decrease second-hand smoke exposure”. Studies of workers who are affected by workplace smoking restrictions 7 sug-gest that such policies are consistently associated with an individual decrease in cigarette use of 2–4 cigarettes a day. Whether or not this decrease is sufficient to lessen dependence and, therefore, increase the likelihood of quitting in the future is unknown, but some evidence exists that decreased use in the shorter term can lead to later increased cessation. This evidence led to the statement that “there is sufficient evidence that smoke-free workplaces decrease cigarette consumption in continuing smokers”. Population studies show a consistent pattern for a lower smoking prevalence and a higher smoking cessation in workplaces with smoke-free policies. Although these mostly cross-sectional studies cannot prove that workplace smoking restrictions decrease cigarette use, two such studies provided addi-tional evidence for a causal effect; one assessing differences in smoking behaviour within industries with a similar workforce, and the other by convincingly ruling out other worker or worksite characteristics that could have produced the noted findings.7,8 All studies show that partial restrictions are worse than smoke-free policies. The Working Group concluded “there is strong evidence that smoke-free workplaces decrease the prevalence of adult smoking”. The strength and scope of public and workplace smoking restrictions are associated with lower tobacco use in youths.9 Smoke-free policies might have this effect by decreasing opportunities to develop a high level of nicotine addiction in people who are in the early stages of a dependence on smoking. This evidence led to the statement “there is strong evidence suggesting that smoke-free policies decrease tobacco use in youths”. Smoke-free policies have been shown to improve the health and prod-uctivity of employees and decrease business costs for insurance, cleaning, maintenance, and potential litigation. Implementing comprehensive smoke-free policies has not had a net negative economic effect on the restaurant and bar industry.10 The conclusion was made that “there is sufficient evidence that smoke-free policies do not decrease the business activity of the restaurant and bar industry”. Most studies have shown rapid improvements in respiratory symptoms (eg, wheeze and cough) and sensory symptoms (eg, upper airway and eye irritation).11 Workers in the hospitality industry have benefited. Thus, the statement has been made that “there is sufficient evidence that the introduction of smoke-free policies decreases respir-atory symptoms in workers”. Studies suggest that smoke-free workplace policies are followed by a 10–20% decrease in hospital admi-ssions for acute coronary events in the first year after implementation. Most studies have not been able to identify the contribution of decreased second-hand smoke exposure in non-smokers from policy-related changes in smoking behaviour,12 and publication bias cannot be ruled out. This evidence led to the conclusion that “there is strong evidence suggesting that the introduction of smoke-free legislation decreases heart disease morbidity”. The lead time for lung cancer to be diagnosed after exposure to a carcinogen can be 20 or more years. Most policies have been in effect for for less time than this. Furthermore, conclusive evidence for the effect of these policies on the incidence of lung cancer will be difficult to obtain, because most mandated population databases on cancer morbidity and mortality do not include smoking status, making it impossible to separate the effect on health events of changes in second-hand smoke exposure from changes in smoking behaviour. The Working Group concluded “in view of the long lag time between second-hand smoke exposure and the development of lung cancer, data are not yet available regarding the expected decline in lung cancer after implementation of smoke-free policies”. Exposure to second-hand smoke in homes with smokers is decreased with smoking restrictions, especially if the home is smoke-free.13 The effect of a smoke-free home on children’s exposure to second-hand smoke is substantially larger than any effect of interventions aimed at helping parents quit successfully. The statement was therefore made that “there is sufficient evidence that voluntary smoke-free home policies decrease children’s second-hand smoke exposure”. Studies consistently report that smoke-free homes are associated with decreased tobacco use and increased successful quitting.14 The effect of a smoke-free home is consistently stronger than the effect of a smoke-free workplace. Thus, the Working Group concluded “there is sufficient evidence that smoke-free home policies decrease adult smoking”. Cross-sectional studies consistently show that children of non-smoking parents who live in smoke-free homes are less likely to initiate smoking than if the home is not smoke-free.15 Longitudinal studies are known to be underway, but are yet to be reported. The statement was therefore made that “there is strong evidence to suggest that smoke-free home policies decrease smoking in youths”. On the basis of the evidence reviewed, the Working Group recommended that governments enact and implement smoke-free policies that conform to the guidelines for Article 8 of the WHO-FCTC.3 Implementation of such policies can have a broader population effect of increasing smoke-free environments. Not only do these policies achieve their aim of protecting the health of non-smokers by decreasing exposure to second-hand smoke, they also have many effects on smoking behaviour, which compound the expected health benefits. These health benefits will be greater if these policies are enacted as part of a comprehensive tobacco-control strategy that implements all of the provisions called for by the WHO-FCTC. Up to now, most of research has been done in high-resource countries. The Working Group also recommended the establishment of a multinational surveillance system to allow assess-ment of the effect of these policies in low-resource and medium-resource countries. John P Pierce, María E León, on behalf of the IARC Handbook Volume 13 Working Group and IARC Secretariat University of California, San Diego, California, USA (JPP); Tobacco and Cancer Team, Lifestyle, Environment and Cancer Group, International Agency for Research on Cancer, Lyon, France (MEL)
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