1. はじめに |
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このたびの東日本大震災により、亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された地域の皆様、そのご家族の方々に心からお見舞いを申し上げます。同時に救護班として被災地で診療をしておられる多数の医師・看護師・薬剤師等の方々には頭が下がります。
さて、喫煙により毎年、我が国だけで約13万人、全世界で約540万人が死亡し、我が国では2006年より保険による禁煙治療が可能になっています。日本禁煙学会は、大震災では感冒、肺炎、胃腸炎、心筋梗塞等の疾患が増大し、それらの発症・増悪に能動・受動喫煙が関与していることから能動喫煙者に対する禁煙治療ならびに受動喫煙防止を積極的に推進することが重要な被災地医療であることを指摘してきました
(添付資料1:「日本禁煙学会から緊急の呼びかけ」)。さらに、タバコが手に入りにくい今こそ禁煙すべき時であると考えます(添付資料2:「買いだめよりももう吸わない選択を」) 。
今回の大震災の避難所ならびにその周囲の状況は水・電気・食糧・通信、交通等のライフラインの欠如のため、手洗い・入浴・移動等もできない、検査もできない、医療器具・薬物等もないという状況からスタートし、日ごとに変っています。しかし場所によってはいまだに水道・下水も使えないところも多く、また放射線被害のため立ち入りすらできない地域もあります。
そのような中で、救護班の方々が短期間で交替しながら、必至に医療活動を行っているこれまでの現状では、禁煙治療まで手が回らないというのが現実と思います。しかし、そろそろ救護班による医療活動として、禁煙治療や受動喫煙防止に目を向けてもよい時期ではないでしょうか。実際、避難所の診療所等で喫煙者に対する禁煙補助薬を用いた禁煙治療や受動喫煙防止を開始した救護班もあります。しかし、禁煙外来等での禁煙治療の経験のある救護班の方は少ないと思います。そこで、救護班にフォーカスを絞った被災地での禁煙治療ならびに受動喫煙防止の簡単な指針をマニュアル化しましたので、救護班の方々にお役に立てていただければ幸いです。
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2.この指針の使い方 |
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@. |
3ページの6.の薬の説明は医療スタッフ用と患者用の説明を兼ねている。 |
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A. |
4ページの7.わたしの“カルテ”は医療スタッフが記載する。
余力があって治療の精度を上げられる場合は、添付資料3(禁煙治療パス)を利用する。 |
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B. |
真ん中の折り目から半分に切り、3ページと4ページを患者に渡す。 |
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C. |
患者には、診察ごとに「わたしの“カルテ”」を携帯するよう指導する。 |
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D. |
この指針は、限られた治療体制の中でも安全に禁煙治療が行われることを目的として、本来は慎重投与である選択肢も「投与しない」とするなど簡略化している。禁煙治療の詳細を知りたい場合は日本禁煙学会ホームページ「ニコチン依存症管理料情報」を参照する。
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