2012年 6月 8日

喫煙率12%の数値目標が設定されたがん対策推進基本計画を歓迎します
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がん対策推進基本計画に喫煙率12%の数値目標を入れたことは
大変意義深いことであり、これを評価・歓迎いたします。


(記)

 政府は2012年6月8日の閣議において、がん対策推進基本計画に2022年度(平成34年度)までに喫煙率を12%にすることを決定いたしました。 喫煙率の目標値は、10年の調査で「たばこをやめたい」とした喫煙者(37.6%)全員が禁煙した場合の数字とのことです。 また2022年度(平成34年度)までに、「月1回以上」受動喫煙する機会がある人の割合を飲食店で15%、行政や医療機関では0%に引き下げ、家庭で「毎日」受動喫煙する機会のある人の割合を3%に減らす目標も掲げました。

 これは国民の健康にとって大変意義深いことであり、私たちは大きく評価いたします。喫煙率のピークから30年遅れて肺癌死のピークとなります。さらに科学的なエビデンスに基づく証拠によれば、喫煙が高血圧、高血糖、肥満、高LDL血症を併せたよりも寿命を縮めているのです。
 また、科学的なエビデンスによれば、職場・レストランなどを含めた受動喫煙防止法を施行すれば、心筋梗塞が平均で20%程度減少することが証明されています。

 さらに、科学的なエビデンスに基づいた報告によれば、地域内を全面禁煙にすればレストランや飲食店などのサービス産業の売り上げは少なくとも低下しないことが各国の調査で明らかにされています。

 従いまして、この施策は大変意義深い事であると、評価・歓迎いたします。

 ただし「がん対策推進基本計画」は5年ごとに見直しすることとされているので、喫煙率12%の数値目標は、10年でなく5年をメドに最大限の実現努力をするべきと考えます。

 また、「月1回以上」受動喫煙する機会がある人の割合を飲食店で15%、家庭で「毎日」受動喫煙する機会のある人の割合を3%に減らす目標は、遅くとも5年後には0%とするよう、諸施策の立案により官民が総力をあげて実現できるよう期待いたします。
以上
2012年6月8日
NPO法人 日本禁煙学会理事長 作田 学