2011年12月1日 |
日本たばこ産業株式会社社長 木村宏様
財務大臣 安住淳様 |
NPO法人 日本禁煙学会理事長
作田 学
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JTはバレーボールを含むすべてのCSR活動を、即刻中止してください
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(1) |
バレーボールの開催を後援することそれ自体が違法行為です。 |
(2) |
選手にJTのマークを付けさせることはいかなる意味においても違法行為です。 |
(3) |
日本国政府が黙っていても、今回のワシントンタイムズに見るように、世界中からさげすみの眼で見られていることを自覚すべきです。 |
(4) |
JTがタバコ以外の事業をしていることはどうでも良いことです。JTの本業がタバコ事業ということは誰でも知っており、この点で言い逃れることはできません。 |
(5) |
この事態を放置している財務省は、国際法規遵守を求める日本国憲法違反、条約の遵守を求めるウイーン協定違反であることを深く理解すべきです。 |
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記
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ワシントンタイムズ11月24日号に日本のバレーボールの問題点が大きく取り上げられた。バレーボールのワールドカップが毎年毎年日本でJTによって開催されてきた問題は、タバコ規制枠組み条約(FCTC)に違反することでありながら、これまで日本の新聞やテレビではまったく取り上げられていなかった。
このこと自体が非常におかしいことであり、それをワシントンタイムズが鋭く突いたと言える。
日本国政府が批准しているFCTC第13条(広告・宣伝の禁止)は全般的な義務として、タバコの広告・販売促進・スポンサーシップの制限・禁止をうたっている。そして、タバコの広告、販売促進及び後援について、五年以内(2010年2月27日まで)に、包括的な禁止を行うことを条約本文で規定している。
さらにそのガイドラインでは、
タバコ宣伝、販売促進、スポンサー行為の包括的禁止には以下の事項を含む:
・ すべての宣伝、販売促進、ならびにスポンサー行為。例外は認めない。
・直接的ならびに間接的な宣伝、販売促進、スポンサー活動。
・販売促進を目的とした行為、ならびに販売促進効果をもたらすあるいはそのおそれのある行為。
・タバコ製品ならびにタバコ使用行為の奨励。
・ 営利を目的とした情報伝達ならびに奨励、活動。
・あらゆるイベント、活動あるいは個人に対するあらゆる形の寄贈。
・ タバコブランドネームおよびタバコ産業そのものの売り込みのための宣伝ならびにプロモーション活動。
・ 従来からある情報提供手段(印刷・テレビ・ラジオ)およびインターネット、携帯電話、映画を含むあらゆる形のニューテクノロジーを用いた情報提供手段。
小売店においてタバコ製品を陳列あるいは露出させる行為はタバコの宣伝と販売促進活動と みなされるから禁止されなければならない。自動販売機は、その存在自体が宣伝と販売促進 手段となっているから禁止すべきである。
タバコ製品の包装と製品デザインは宣伝と販売促進上重要な要素である。宣伝と販売促進効果を 上げるためにタバコの包装が変えられることを防ぐには、プレイン・パッケージングを義務化する のがよい。タバコの包装、紙巻きタバコ1本1本などのタバコ製品における宣伝や販売促進のため の表示ならびに製品を魅力的に見せるための外観デザインを禁止するのがよい。
タバコのインターネット販売は、本質的にタバコ宣伝と販売促進の役割を果たすため、禁止すべきである。
締約国はタバコの宣伝販売促進行為である「ブランドストレッチング」「ブランドシェアリング」を禁止 すべきである。
締約国はタバコ会社が「企業の社会的責任を果たすために」行ういかなる形態の寄付行為もス ポンサー行為となるが故に、禁止すべきである。「社会的責任を果たす」ための企業活動を宣伝することは禁止すべきである。なぜなら、それそのものが宣伝、販売促進行為だからである。
タバコの宣伝、販売促進、スポンサー行為の包括的禁止措置の実施は、必ずしも報道、芸術、 学術上、社会的政治的評論に関する表現の自由を阻害するものではない。しかし、締約国は、 報道、芸術、学術、社会的政治的評論をタバコ製品とタバコ使用の宣伝奨励に利用する企てを 防止する対策を講ずる必要がある。
締約国は娯楽メディア作品におけるタバコの表現に関する特別な対策を実行すること。すなわち、タバコを描くことによる利益供与を受けていないことを証明させる、タバコのブランドやそれを連想させる表現を禁止する、上映の前の反タバコ広告義務化、タバコの表現を考慮した作品の格付け、分類システムを作ることなどである。
タバコの宣伝、販売促進、スポンサー行為包括禁止法の適用を免除されるのは、タバコ取引関係者間の情報交換に限定されることを厳密に規定し徹底させなければならない。
締約国は、直接的であろうとなかろうと、虚偽、誤解、誤導あるいは用語、記述子、トレードマーク、記章、マーケッティングイメージ、ロゴ、色彩、図形などの形象を用いて、タバコ製品の特徴、健康影響、排出煙の加害性に関して虚偽、誤解、誤導させ、あるいは誤った印象を形成させるやり方でタバコ製品あるいはタバコ使用を推奨することを禁止しなければならない。このような禁止措置は、とりわけ、誤解と誤った印象を与える「低タール」「ライト」「ウルトラライト」「マイ
ルド」「エクストラ」「ウルトラ」を意味する用語を使用することを禁止する必要がある。
締約国は、禁止されていないすべてのタバコの宣伝、販売促進、スポンサー活動に関して条約 第13条第4項に示された義務を実行すべきである。締約国は、虚偽、誤導、誤った印象をもたらす可能性のある手段を用いて行われるすべてのタバコ製品の販売促進活動を禁止し、有害警告などの適切な表示文やメッセージを義務付け、適切な行政当局にすべての宣伝、販売促進、スポンサー行為に使用した費用の開示することをタバコ産業に義務付けなければならない。
53.責任を負うべき者とは、マーケテイングを担当するチェーン全体を対象として、幅広く定義されるべきである。タバコの広告、販売促進、スポンサー活動を開始した者に最大の責任があることを明記すべきである。すなわち、通常はタバコ製造者、卸売り業者、輸入業者、小売業者およびそれらの代理業者、提携者がそれに当たる。
54. さらには、タバコの広告、販売促進、スポンサー活動に関わる多くの関係者にも責任があることを明記すべきである。
http://www.nosmoke55.jp/data/cop3_13_200811.pdf
長くなったが、これらから明らかなことは
(1)バレーボールの開催を後援することそれ自体が違法行為である。
(2)選手にJTのマークを付けさせることはいかなる意味においても違法行為である。
(3)日本国政府が黙っていても、今回のワシントンタイムズに見るように、世界中からさげすみの眼で見られていることを自覚すべきである。
(4)JTがタバコ以外の事業をしていることはどうでも良いことである。JTの本業がタバコ事業ということは誰でも知っており、この点で言い逃れることはできない。
FCTCでは、タバコ会社が行う様々な広告、イベント、スポンサーシップの全面禁煙を打ち出しており、参加国はそれにしたがっているが、唯一この方針を無視しているのが日本政府である。政府は、直ちにJTバレーボールチームを解散させ、またその他多くのCSR(企業の社会貢献活動)についても、直ちに中止するよう、日本禁煙学会は強く要請する。
われわれはJTの行っているすべてのCSR活動についても一つ一つ摘発して行くであろう。
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以上 |
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資料 : バレーボール・ワールドカップで若い女性にタバコの売り込みを目論むJTに非難の声―ワシントンタイムズ記事2011年11月24日―クリストファー・ジョンソン(日本禁煙学会理事 松崎道幸・訳)(PDFファイル426KB)
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