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国に要望書を提出しました |
NPO法人日本禁煙学会は以下の緊急声明を出し、厚労省と財務省に要望書を提出し、記者会見を行いました。
喫煙席、喫煙コーナー、喫煙所、喫煙室およびその周辺は、タバコ煙に含まれる放射性物質ポロニウム210による内部被ばくのおそれがあるので、絶対に立ち入らないで下さい。 |
記者会見風景 |
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緊急声明PDF版はこちら(237KB) |
1. |
タバコにポロニウムが相当量(0.51~0.60pCi/本)含まれていることは事実である。 |
2. |
燃焼すると、タバコ煙中の毛髪状粒子に吸着する。 |
3. |
タバコのフィルターは何の効果もなく、97%まで通す。 |
4. |
吸引すると気管支分岐部がホットスポットとなり、毛髪状粒子が高濃度に吸着する。 |
5. |
ホットスポットのポロニウムが十分に肺がんを引き起こすことも証明されている。
タバコ産業の科学者による見積もりによれば25年間に喫煙者1000人のうち120~138人の超過死亡がおこると計算できる。 |
6. |
タバコを吸うとベンツピレンなどとの複合汚染となり、高率に肺がんを引き起こす。 |
7. |
タバコ産業は1980年にはすでに酸処理やレジンフィルター処理でポロニウムを99%除染する方法を知っていたが、何の対策も行わなかった。 |
8. |
日本はタバコに世界で最も高濃度のポロニウムが含まれている国の一つである。 |
9. |
副流煙にも主流煙の1~4倍のポロニウムが存在し、受動喫煙は危険である。 |
10. |
まだ喫煙を続けている方は、これらの事実から、直ちに喫煙を中止してほしい。 |
11. |
すべての喫煙所・喫煙室・喫煙コーナー・喫煙席をただちに閉鎖し、タバコ・吸い殻・タバコの灰・タバコの煙は放射性物質と認識して取り扱い、これらがある場所に人は近づいてはならない。 |
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2011年10月17日
日本禁煙学会 理事長
作田 学 |
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※放射性物質ポロニウムとは
ポロニウムはウランの100億倍の比放射能(単位質量当りの放射能の強さ (Bq/mol, Bq/g))を有し、ごく微量でも強い放射能を持つ。このため、昇華性のあるポロニウムは内部被曝の危険が大きいため、厳重な管理の下で取り扱われなければならない。(Wikipedia)
キュリー夫人が発見し、祖国ポーランドの独立を祈って、Poloniumと名づけた。娘のイレーヌ・キュリーも科学研究者であったが、事故でポロニウムのガスを吸引したため急性白血病で死亡した。リトビネンコ暗殺に使用されたことでも記憶に新しい。(アレックス・ゴールドファーブとマリーナ・リトビネンコ:リトビネンコ暗殺、早川書房、東京、2007)
注:Poloniumはα線を放射するので、通常のガイガーカウンターでは計測できません。
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要望書
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要望書PDF版はこちら(274KB) |
2011年10月17日 |
厚生労働大臣 小宮山洋子 様
財務大臣 安住 淳 様 |
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1. |
東北地方、関東地方の葉タバコの放射性物質(ポロニウム、放射性鉛、プルトニウム、ストロンチウム、セシウムなど)の測定 |
2. |
製品化されたタバコのポロニウム測定 |
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を要望いたします。 |
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記
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最近Nicotine & Tobacco Researchという権威ある雑誌にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のKaragueuzian教授らが投稿した“Cigarette smoke radioactivity and lung cancer risk” という論文が大変な話題を呼んでおります1,2)。
この9月27日号を読みますと、
1.タバコ産業が顧客(喫煙者)と一般社会に、秘匿してはいけない情報をひたすら隠してきたという良識ある企業の倫理にもとる行動をしてきたということに驚かされます。
2.また、吸い込まれたポロニウムが喫煙者の肺内に均一に分布するのではなく、気管支分岐部に集中的に沈着していることが病理学的に証明されていること、EPAの明らかにしたラドンガス曝露量と肺ガン発生リスクを単純に適用すれば、(生涯リスクではなく)1日2箱以上の喫煙者なら毎年1000人中100人以上が肺ガン死する計算になってしまうほど大量のポロニウムが喫煙者の肺内に入り込んでいることが明らかになりました。相当多量の放射性物質が喫煙により体内に入り込んでいることが分かったのですから、喫煙は放射性物質の内部被ばくをもたらす行為に他ならず、喫煙と受動喫煙をより一層なくすことが必要であります。
(註)EPA:US Environmental Protection Agency: アメリカ合衆国環境保護庁)
3.さらに、タバコの場合には、複合汚染ということが起こります。
たとえば、アスベストの古典的な研究では、アスベスト、あるいは喫煙をしていない人が肺がんで死亡する危険性を1としますと、アスベストだけの場合は5倍、喫煙だけの場合は10倍、両者の合併の場合は50倍になります。逆に言えば、アスベストで肺がんを生じて亡くなった方でも、喫煙をしていなければ10人のうち、9人は助かっていたと言えます。
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肺癌死を起こす確率 |
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非喫煙者 |
喫煙者 |
アスベスト(−) |
1 |
10 |
アスベスト(+) |
5 |
50 |
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これと同様に、プルトニウムと喫煙でも同様の事があります。
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肺癌死を起こすだけの量(μg) |
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(推定) |
非喫煙者 |
喫煙者 |
239Pu |
原子炉Pu |
239Pu |
原子炉Pu |
Gofman
& Tamplin |
7.3 |
1.4 |
0.058 |
0.011 |
Gofman |
44.9 |
8.3 |
0.225 |
0.042 |
BEIR |
28.8 |
5.4 |
0.230 |
0.043 |
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http://apo.ansto.gov.au/dspace/bitstream/10238/483/1/AAEC-E-286.pdf
Goffman, Tamplin: The question of safe radiation threshold for alpha emitting bone seekers In man. Health Physics, 21: 47-51, 1971
https://sites.google.com/site/msenjo/home/opinion/plutonium/public_health
肺がんに関して、喫煙を調整した研究が3つあります。
(註)(米国では、1959年に米国民の放射線被ばくに関する政策決定機関として連邦放射線審議会(Federal Radiation Council,FRC)が設けられた。FRC(1970年以降その機能は米国環境保護庁に移管)は、放射線防護の規制に関する意志決定のための科学的基礎となる知識を集約するため、1970年夏、米国科学アカデミーに調査を要請した。米国科学アカデミー/米国研究審議会は、電離放射線の生物影響に関する委員会(BEIR委員会)を設置し、その時々の委員会で放射線影響に関する最新の科学的情報を収集・評価して報告を出し、連邦基準の策定に役立てて今日に至っている。この一連のBEIR報告は一般に出版され、放射線による米国民のリスク評価を行った権威ある報告書として広く利用されている。)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=13-01-03-19 (viewed 2011/10/11)
このことから考えるに、ポロニウムだけに内部被爆した場合と、喫煙をともなう場合とは違う可能性が十分にあると思います。
4.タバコは空気からのみならず、土壌中の放射性重金属を非常に高率に葉に取り込み濃縮するという性質が知られています。東北地方、あるいは栃木、群馬、茨城、千葉、東京などでも今回セシウムが土壌中に高濃度に見つかっており、このことから、東北地方・関東地方の葉タバコの放射性物質を調べる喫緊の課題があります。
さらに、製品化されているタバコの放射性物質も至急調べる必要があります。これは能動喫煙以外にも日本専売公社自身が受動喫煙との関係でポロニウムを調べる必要があると1980年に言っているからです。
5.またタバコ産業の秘密内部文書によると、実験動物の97%に肺がんを発生させるポロニウムの濃度は炎症を起こさない程度の微量で良いと言うことと、わずか15radsで13%のハムスターに肺がんを発生できるということが書いてあります(P4)。これはタバコ2箱を25年間吸った量にあたります。しかもベンツピレンを同時に投与するとさらに2倍の確率で肺がんが生じるということです(p5)。
これはまさに3.で述べた、ポロニウムについても複合汚染の問題があるということの証明に他なりません。タバコにはポロニウム、ベンツピレン以外の発癌物質が50種以上も含まれているのです。
6.1982年7月31日に衆議院議員草川昭三先生から質問趣意書が提出されました。
この3に「タバコの煙に含まれている放射性元素ポロニウムの人体に対する危険性について米国において研究発表がなされているが、政府はこの発表をどう受け止め対処するのか。」とあり、8月20日の答弁書には「御指摘の研究については、今後その内容を詳細に検討してまいりたい。」とあります。これはその後29年間が経ち、国民にはまったく報告されていませんが、政府・財務省では詳細に検討されていることと思います。
ちなみにこの質問趣意書の英訳がアメリカのBAT(British American Tobacco)にあります。
7.JT(日本たばこ産業)はこれまでポロニウムについて尋ねても、「正確な量を測定したことはありませんが、タバコにポロニウムが含まれていることは承知しています。」(広報部・宮下剛氏)※週刊現代2007.1/6.13号
と言うばかりでしたが、その実、既に1978年のタバコ産業秘密内部文書(TI04070380)では詳細なポロニウム濃度を測定しており、日本のタバコ(ポロニウム/ シガレット)は世界で最もポロニウム濃度が高い国の一つであることがわかっていました。
さらに1993年のタバコ産業秘密内部文書2501171718によると、主流煙にたいして副流煙のポロニウムは1~4倍ということまで明らかにされています。すなわち、能動喫煙のみならず、受動喫煙においても、タバコの多数の発癌物質(ベンツピレンなど)とならび、ポロニウムが大きくあずかっている可能性があります。したがいまして、JTにこれらの測定を依頼しても、真実が明らかにされるか大変不安があり、政府で測定をよろしくお願い申し上げます。
これらの事から、上記2点を要望いたします。 |
以上
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参考
1) Hrayr S. Karagueuzian, Celia White, James Sayre, & Amos Norman: Cigarette
smoke radioactivity and lung cancer risk. Nicotine & Tobacco Research,
September 27, 2011
2) 同上、紙巻きタバコ煙の放射能と肺がんリスク。日本禁煙学会理事 松崎道幸訳
3) タバコ産業秘密内部文書 HK01327098
4) タバコ産業秘密内部文書 2021642131
5) タバコ産業秘密内部文書 682067475
Polonium(ポロニウム)
ポロニウムはウランの100億倍の比放射能(単位質量当りの放射能の強さ (Bq/mol, Bq/g))を有し、ごく微量でも強い放射能を持つ。このため、昇華性のあるポロニウムは内部被曝の危険が大きいため、厳重な管理の下で取り扱われなければならない。(Wikipedia)
キュリー夫人が発見し、祖国ポーランドの独立を祈って、Poloniumと名づけた。娘のイレーヌ・キュリーも科学研究者であったが、事故でポロニウムのガスを吸引したため急性白血病で死亡した。リトビネンコ暗殺に使用されたことでも記憶に新しい。(アレックス・ゴールドファーブとマリーナ・リトビネンコ:リトビネンコ暗殺、早川書房、東京、2007)
注:Poloniumはα線を放射するので、通常のガイガーカウンターでは計測できません。
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タバコによる肺ガンの成り立ち
(PDFファイル1,505KB)
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