2011年7月1日 |
節電・省エネルギー、及び事業生産性向上のための事業所における禁煙環境整備に係る提言
(環境大臣、経済産業大臣、厚生労働大臣宛て)
|
PDF版(228KB) |
環境大臣 江田五月様
経済産業大臣 海江田万里様
厚生労働大臣 細川律夫様 |
|
NPO法人 日本禁煙学会 理事長 作田 学
〒162-0063 東京都新宿区市谷薬王寺町30-5-201
http://www.nosmoke55.jp/
|
|
節電・省エネルギー、及び事業生産性向上のための事業所における禁煙環境整備に係る提言
|
謹啓 梅雨の候、ご清栄のこととお喜び申し上げます。国民のためを考える政権と、厚くお礼申し上げます。
さて、標題の件につきまして、国難を克服し経済活動を活性化させるためNPO法人日本禁煙学会として下記の通り提言いたします。採用に向けたご検討をなにとぞよろしくお願い申し上げます。 |
謹白 |
記
|
1. 提言 |
(1) |
2011年8月1日などできるだけ早い時期より、事業所建物内を完全禁煙とする。 |
(2) |
(1)の措置のほか、禁煙成功手当て導入、禁煙啓発、就業中の喫煙禁止ルール制定等により、喫煙する従業者の禁煙を促し従業者の喫煙率を5年間で半減など目標を定める。
|
|
2. 理由 |
(1) |
節電・省エネルギへの貢献のため |
|
東日本大震災の影響で今夏は電力不足が予想され、政府から求められる節電目標に基づき、各企業は節電に取り組む必要がある。
しかしながら事業所内に喫煙所がある場合、換気扇や空気清浄機などの稼動のために電力を多く使うこととなる。
その他、特定のフロアのみに喫煙所がある場合には、常に喫煙者がエレベーターを利用している状態となり、喫煙所に移動する為のエレベーター利用による電力消費も非常に大きい。
また、下記(2)のとおり、喫煙する従業者は離席している分を残業で補うこととなるため、残業している時間の分だけ事業所内の照明やOA機器等に電力を消費することとなる。
そこで事業所内から喫煙所を撤去し、さらに従業者に禁煙を奨励し多くの喫煙する従業者が禁煙できれば、換気扇や空気清浄機、エレベーター稼動、残業中の照明・OA機器利用のための消費電力を大きく抑制することができ、節電目標の達成に大きく貢献することができる。
|
(2) |
事業生産性向上のため |
|
東日本大震災の影響により景気の後退が懸念されており、いっそうの生産性向上が各企業の課題となっている。
喫煙する従業者が1日当たり35分喫煙のために離席すると、1年あたりの換算では1か月分の労働時間に相当する。また当該喫煙者が離席している時間だけ業務の進捗が遅れていることとなる。その他、喫煙者の労災事故発生率は非喫煙者に比べ約2倍との試算もある。
また、事業所が禁煙でない場合(不完全分煙を含む)は、完全禁煙の事業所に比べ少なくとも3%は生産性が低下するといわれており、受動喫煙による他の従業者の傷病の発生率が高まり、生産性がさらに大きく低下する。
喫煙者の労災率は非喫煙者よりも大きく、職場の受動喫煙でも労災が増える傾向があるというデータがあり、職場のメンタルヘルスの分野でも喫煙対策が重要である。法定健診の異常率についても、完全禁煙である職場が最低であるという日本の調査結果がある。【参考資料】
|
|
上記より、事業所を完全に禁煙にした上で従業者の禁煙を促すことは生産性や業務品質の向上、事務過誤リスクや事故発生リスクの低減に貢献することができる。 |
以上
|
|