2010年3月26日

受動喫煙防止法制定の請願と法案の提出
 我々は、受動喫煙防止の法律の制定を請願いたします。可及的速やかに受動喫煙の防止を法制化し、職場の受動喫煙で苦しんでいる人々を一刻も早く救うべく、取り組んで頂きたいと思います。

 請願にあたって、日本禁煙学会は、「職場その他の公共的空間における受動喫煙防止法」法案を作成いたしました。

 この法案は、Americans for nonsmoker’s rightsが2008年4月に発表した「屋内完全禁煙モデル条例」、2009年3月31日に公布された「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」、及び2010年2月25日に出された厚生労働省通知「受動喫煙防止対策について」(健発0225第2号)等を踏まえて、日本禁煙学会が提言する受動喫煙防止のための法案です。
 この法案の特徴は、
(1)労働基準法上の全ての「労働者」が働く職場を、例外なき屋内完全禁煙としている、
(2)レストランやバーなどのサービス産業も含めて、不特定又は多数の者が出入りする屋内を公共的空間として、例外なき屋内完全禁煙としている、
(3)公園等の一定の屋外についても全面禁煙としている
(4)法律違反に対し罰則を科す
などです(法案の特徴として重要な点について、法案中に下線を付しています。)。
 上記厚生労働省通知においても、「受動喫煙による健康への悪影響については、科学的に明らかとなっている。」(1項)、「多数の者が利用する公共的な空間については、原則として全面禁煙であるべきである。」(3項・4項)、「屋外であっても子どもの利用が想定される公共的な空間では、受動喫煙防止のための配慮が必要である。」(3項)と明記されておりますように、この法案は、厚生労働省と共通の認識に基づいて、それを具体化したものです。

 この法案の基本となっているのは、命と健康を削りながら受動喫煙の中で働くことを強制されてきた人々の健康と生存権を第一に守らなければならないという考えです。この点はわが国における受動喫煙防止の論議で決定的に欠けていた視点です。飲食娯楽施設を利用する人々の利便や営業的利益の問題だけが声高に言われてきた一方、完全禁煙でない環境で働く人々の命と健康の問題は置き去りにされてきました。
 食の分野ではすでにゼロリスクに近い安全性を残留農薬や食品添加物の規制に実現しているにもかかわらず、ごく控えめの見積でも年間数千人が日常生活の受動喫煙により命を奪われ、かつ数千万人の非喫煙者が受動喫煙のために様々な健康障害をこうむって体調不良に悩んでいる現状を抜本的に解決する対策は遅々として進んでいません。このダブルスタンダードの状況を変えるもっとも効果的な対策は、法律ですべての受動喫煙をなくすことです。
 現在、ヨーロッパではイギリス、フランス、イタリア、アイルランド、ノルウェー、スゥエーデン等、アジアではタイ等、多数の国々が法律でバーやレストランを含む屋内完全禁煙法を施行しています。カナダとオーストラリアの大部分の州とアメリカの半数の州も同様の法律を実施済みです。法律ですべての屋内施設を完全禁煙とする動きは地球全体に広がりつつあります。
 この受動喫煙防止法の提案は、受動喫煙対策で後進国となりつつあるわが国の現状を変えるきっかけとなるものです。このモデル受動喫煙防止法案を、今後の受動喫煙対策の前進に生かしていただけますようお願い申し上げます。

受動喫煙防止法制定の請願と法案を手渡す様子


受動喫煙防止法制定の請願と法案
受動喫煙防止法制定の請願と法案
(PDFファイル238KB)
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