2009年7月9日 |
N700系の車両の喫煙室を廃止し完全禁煙を求める要望書 |
JR東海会長 葛西敬之様 JR東海社長 松本正之様 |
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記 |
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《 1 》
2007年10月26日にも私たちは上記の趣旨のお願いをいたしました。
http://www.nosmoke55.jp/action/0710jr_toukai.html
その根拠は以下のとおりです。
「JR東海は、東海道・山陽新幹線を全面禁煙化する代わりに、将来の主力になるN700系車両の3,7,10,15号車に喫煙ルームを設置しておりますが、喫煙ルームへの人の出入りによって、タバコ煙が客室内に漏れ、この4両が喫煙車並にタバコ汚染されていることが報告されております。また種々の研究によって実証されている通り、喫煙車からのタバコ煙の流出によってその両隣の車両が禁煙車であっても、実質上喫煙車と同様タバコ煙汚染されてしまいます。従って、N700系車両では本当の禁煙車はわずか4両しかないことになり、現在主流の700系車両(名目上の禁煙車は12両、本当の禁煙車は7両) に比べて改善どころかむしろ改悪になっております。」 http://tenji.med.uoeh-u.ac.jp/smoke/documents/0710PublicHealth-JR_000.ppt |
《 2 》
今月(2009年7月)羽田から関西空港までJAL、新神戸から東京駅までJRを利用し旅行した折に、重大な事実に気がつきましたので、あらためて全車両禁煙とすることを要求します。
往路は航空機でありましたので、まったく受動喫煙を浴びることなく、快適な旅行を楽しめました。料金は13000円で1時間15分の旅でした。
帰路は、新神戸14:02発のぞみ126号10号車6Dを使用しましたが、絶え間ないタバコ臭により、頭痛が絶えませんでした。料金は18000円で2時間40分でした。
10号車の前方に喫煙室があります。たまたま微小粉じん濃度(PM2.5)を測定できるポータブル粉じん計を携行しておりましたので、客室内の粉じん濃度を測定したところ、喫煙室の利用者がいない状態では、10号車の車内の微小粉じん濃度(PM2.5)は25~29μg/m3でした。
ところが、一人が喫煙室内で吸っていた状態では40~50μg/m3となり、二人が吸う場合には50~60μg/m3となって、ときどきタバコ臭があり、血管性頭痛がおこりました。つまり、非喫煙区域の粉じん濃度が喫煙室における喫煙が始まると大きく増加していたのです。
この事態は、健康増進法に違反しています。
なぜなら、厚生労働省「分煙効果判定基準策定検討会報告書(平成14年6月)」では「喫煙場所と非喫煙場所との境界における分煙効果の判定基準」として「デジタル粉じん計を用いて、経時的に浮遊粉じんの濃度の変化を測定し、漏れ状態を確認すること。すなわち非喫煙場所の粉じん濃度が喫煙によって増加しないこと」と明確に述べられているからです。
喫煙が行われたために、非喫煙車両の粉じん濃度(PM2.5)が10~30μg/㎥増加し、タバコを吸わない乗客の方々と乗務員にタバコ臭による悪臭ストレスと頭痛をもたらす結果となっていることは、健康増進法に対する明確な違反です。
ちなみに、望ましい微小粉じん濃度(PM2.5)の上限は15μg/㎥(米国環境保護局)あるいは25μg/㎥(世界保健機関)とされており、60μg/㎥前後のPM2.5を示した非喫煙車両内は、多くの人々の健康を損なうレベルの空気汚染状態となっています。
《 3 》
さらに、後方の喫煙室の設置されていない9号車で測定しましたが、10号車とほとんど同じ粉じん濃度でした。また、9号車と10号車の間のエアコン吹き出し口からは60~70μg/m3という高濃度の粉じんを含んだ空気が噴出し、10号車のエアコン吹き出し口からはやはり50~60μg/m3という高濃度の粉じんを含んだ空気が出ておりました。
以上の粉じん測定成績から考えると、喫煙室と車内の空調系統は同一のダクトを使用しており、喫煙室で発生したタバコ煙がすべての客室内に撹拌されて流入しているものとうたがわれます。
《 4 》
N700系は「車内は全席禁煙とし、強制排煙装置やJR東海の小牧研究施設が開発した光触媒脱臭装置を備えた喫煙ルームを3・7・10・15号車のデッキ部分に計6か所設けている。」(Wikipedia)などといかにも受動喫煙対策をしっかりやっているかのように描かれていますが、「強制排煙装置」や「光触媒脱臭装置」が稼動しているにもかかわらず、現実に非喫煙区域にタバコ煙が流入し健康被害を与えていることが体感的にも、粉じん測定値によっても証明されている以上、全室禁煙という言葉はまさに欺瞞であります。御高齢の方、子供さん、妊婦さんなど健康弱者に受動喫煙を強いていることは速やかになくさなければなりません。
このように、完全禁煙の航空機と比較して料金が50%高く、時間が倍かかり、しかも臭くて危険な乗り物をいつまでも放置しているのは大きな問題です。
私たちはさらにこの問題を追及することとし新聞等にも公表しますが、できる限り早急にタバコ規制枠組み条約第8条およびそのガイドラインにのっとり、この健康増進法違反の喫煙室を撤去することを要求いたします。
以上 |