2009年5月25日 |
新型インフルエンザ流行に際して喫煙対策に関する緊急声明 |
内閣総理大臣 麻生太郎様 厚生労働大臣 舛添要一様 厚生労働省健康局生活習慣病対策室長 関 英一様 |
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緊急声明 |
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現在世界は二つの大流行(パンデミック)に直面している。ひとつは新型インフルエンザであり、もうひとつは喫煙(タバコ使用)である。タバコ使用はすでに毎年数百万人の人命を奪う大災害となっており、このままの状態が続くなら、今世紀中に10億人の犠牲者がもたらされるとWHOは推定している。
新型インフルエンザが強毒性となれば、最悪のシナリオで、数千万人の命が奪われる可能性があるとされている。われわれには、これら二つのパンデミックを制圧する使命が課されている。
私たち日本禁煙学会は、タバコの流行をなくすことが、インフルエンザパンデミックの制圧にも大きく資することを強調したい。
インフルエンザと喫煙の関係でいえば、喫煙者は非喫煙者の2.42倍インフルエンザに罹患しやすく、罹患すると重症になることが確かめられている。また、インフルエンザの死亡のリスク要因は動脈硬化を主とする心血管系疾患、糖尿病、呼吸器系疾患などであり、かつ喫煙及び受動喫煙は、これら疾患の予防可能なリスク要因である。
従って、インフルエンザの死亡リスクを減らすためには生活習慣病対策、とりわけ禁煙推進が最も重要な対策のひとつである。すなわちタバコ規制は、新型インフルエンザ対策としても非常に有効である。
インフルエンザのみならず、呼吸器感染症全般(上気道炎、肺炎、結核、季節性インフルエンザを含む)の罹患・重症化の予防の基本が禁煙と受動喫煙対策であることはいうまでもない。
我々は日本政府・厚生労働省が、タバコのリスクを正当に評価し、FCTCに述べられているように「タバコの消費及びタバコの煙にさらされることが健康、社会、経済及び環境に及ぼす破壊的な影響」から人々を保護するために有効なタバコ対策を実施すると共に国民に禁煙を呼びかけられるよう要望する。
(参考)
http://www.eonet.ne.jp/~tobaccofree/SmokingInfection.ppt