神奈川県「公共的施設における受動喫煙防止条例」の可決成立を歓迎します(祝・声明) 1.神奈川県「公共的施設における受動喫煙防止条例」がほぼ原案どおり(3.18の厚生常任委員会で第2種施設の罰則の1年間猶予など一部修正があったものの)で、ほぼ全会一致で可決されましたが、神奈川県及び神奈川県議会のご尽力に敬意を表し、高く評価するものです。またこの間、神奈川県内の医療保健団体をはじめ成立までにご尽力くださった関係諸団体、また支持された県民多くの方々に敬意を表します。 2.本条例は、松沢成文県知事が、2007年春の知事選挙でマニフェストのトップで掲げられた「公共的施設における禁煙条例(仮称)」を具体化するなかで、タウンミーティング、関係事業者などからのヒアリング、パブリックコメントなどを通して、当初構想案の全面禁煙には至らず、分煙が残るなど、残念な部分もありますが、松沢成文県知事は最後まで合意形成に努められ、最終的に2月県議会上程の原案が、多少の後退修正があったものの、骨格はほぼ原案どおりで県会議員のほぼ全会一致で成立をみたご苦労と熱意には深く感謝するものです。 3.本条例は特に (1)公共性の高い第1種施設の全面禁煙の義務 (2)第1種施設、及びそれ以外の100平方メートル以下(厨房を除いて)の小規模な飲食店及び700平方メートル以下の小規模ホテル旅館など特例第2種施設を除く第2種施設での禁煙・分煙(受動喫煙の厳しい危害防止が必要で、概ね半分以上の面積は禁煙の努め)の選択の義務付けと、入口での”禁煙・分煙の表示”義務(特例第2種施設では努力義務) (3)”受動喫煙のある場所への未成年者の立入り禁止”の義務付けと”表示”義務(特例第2種施設では努力義務) (4)これら義務を担保するための罰則(過料)規定 は全国初の画期的な内容で、受動喫煙の危害から県民・市民の健康を守る素晴らしい内容が盛り込まれています。 ※特に(2)については利用客が選択することによって、これまで受動喫煙ゆえに利用を控えていた人たちが、受動喫煙に煩わされることなく心おきなく禁煙店を利用することになり利便性が増し、禁煙の流れが加速することが期待されます。 ※また(3)についても、未成年者の受動喫煙危害防止が常識化することは、子どもの健康からも喜ばしい限りです。 4.問題として、第1種施設に屋内喫煙所の設置が可能とされたこと(受動喫煙の厳しい危害防止が盛り込まれてはいるものの)、職場・事業所の従業員の受動喫煙防止が盛り込まれなかったこと、など不備・不足の点は少なくないものの、いずれ改訂していくことが期待されますし、国がWHO-FCTC(タバコ規制枠組条約)に沿った受動喫煙の危害防止を努力義務のまま放置し続けている現状の中で、本条例の制定は、先進県・神奈川県の事例として全国に広がっていくことが期待されます。 5.厚生労働省の「受動喫煙防止対策のあり方検討会」の最終報告が近々出され、「多数の人が利用する公共の場所については原則として全面禁煙にする方針で、来月にも都道府県に通知し、全面禁煙にする施設を指定するなどの対策を求めていく。」とされ、今回の本条例制定の一定の後押しになったことは評価されるところですが、国民の健康を受動喫煙の危害から守るためには、罰則付きの受動喫煙防止法が不可欠です。この法律の早期の制定を期待し、これを含め国際標準となっている「包括的タバコ対策」に国としてまた国会においても真剣に取り組んでいただくよう強く要請し、私たちも国内外の諸団体と連携してなお一層の努力を積み重ねていきたいと考えております。 6.さらに職場で受動喫煙に悩まされ苦しんでいる方、受動喫煙によって健康被害をおこしたレストランやバーなどの従業員の方は、ぜひNPO法人日本禁煙学会までお知らせ下さい。私たちは全力をあげて受動喫煙被害者の救済にあたることをお約束いたします。 平成21年(2009年)3月24日
NPO法人日本禁煙学会 http://www.nosmoke55.jp/ 理事長 作田 学 Tel
090-4435-9673 Fax
03-5360-6736
NPO法人子どもに無煙環境を推進協議会 http://www3.ocn.ne.jp/~muen/ 会 長 若林 明 Tel,Fax06-6765-5020 〒540-0004 大阪市中央区玉造1-21-1-702 |