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ニコチン依存症管理料報告照会書の抜本的改善と検証を求める
(厚労大臣、社保庁長官に送付)

2008年(平成20年)8月25日
厚生労働大臣 舛添要一 様
社会保険庁長官 坂野泰治 様
NPO法人 日本禁煙学会
理事長 作田 学

ニコチン依存症管理料報告照会書の抜本的改善と検証を求めます

 

謹啓
 ニコチン依存症管理料算定が2006年4月より制度化され、該当医療機関は毎年7月にこの報告を提出することになっており、昨年第1回の報告提出がありました。
この折、本来なら3月末日までにニコチン依存症管理料の初回点数を算定した患者数を分母にして、12週間にわたる計5回の禁煙治療を終了して、6月末日までに禁煙に成功した者の数を分子にして、禁煙成功率を算定すべきであったのに、「3月末日までに初回点数を算定」が「6月末日までに初回点数を算定」などの照会都道府県があり、混乱が起こりました。
このため、本学会はこの善処についての至急の指摘・要望をいたしました。
2007/7/20 ニコチン依存症管理料に係る禁煙成功率報告様式に関する至急の訂正要請
(厚生労働大臣、社会保険庁長官あてに提出)
  http://www.nosmoke55.jp/action/0707kourousyou.pdf

 

 ところが、本年の調査照会書でも同様の県が少なからず(本学会の調査で少なくとも14)ありました。



1.ニコチン依存症に係る報告照会文
(1):平成19年7月~平成20年(6)月にニコチン依存症管理料の初回点数を算定した患者数

となっている県(14)
青森、宮城、千葉、神奈川、山梨、石川、福井、静岡、滋賀、兵庫、鳥取、島根、岡山、沖縄

・奈良は、平成19年4月~平成20年(3)月

・栃木は、当初 平成20年(4)月を 3月に変更したものを再送付

・他の都道府県(32)は 平成19年7月~平成20年(3)月



2.
(2):(1)のうち(6)月末日までに12週間にわたる計5回の禁煙治療を終了した者
(3):禁煙に成功した者(終了時点で4週間以上の禁煙に成功している者)
(4)5回の指導を最後まで行わずに治療を中止した者((1)-(2))のうち、中止期間に禁煙していた者

→ 概ねこの記載のようですが、明記のない所もあったようです。



3.
従って、14の県では、禁煙成功者率(%)が低く計算されますし、また2項の関係でも低くなる可能性があります。

※保医発第0305003号(平成20年3月5日)様式8-2 (下記pdfの14ページ)
 では、(期間:  年7月~  年3月)、12週間の禁煙治療を確認できる3月まで、となっているはずです。
 http://www-bm.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1l.pdf



4.
また、様式8-2は、平成19年7月~→ 平成19年4月~ とする調査としないと、毎年4-6月初回点数算定者が抜け落ちてしまいますので、この改善をお願いします。
(調査照会は、前年4月1日~当年3月31日にニコチン依存症管理料の初回点数を算定した患者数(分母)で、かつ12週間にわたる計5回の禁煙治療を終了して、6月末日までに禁煙に成功した者の数(分子))とする)



5.
以上のことを周知徹底しないと、折角のニコチン依存症管理料算定報告の全数調査データが信頼性を欠くものになり、活かされないことになります。

※ニコチン依存症管理料算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査報告書(検証報告;2008.7.9厚労省) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0709-8k.pdf が公表されていますが、この毎年7月の本調査照会も、是非信頼性を確保して禁煙成功率の検証資料として活用・公表いただくようお願いします。



6.
以上の不完全な都道府県の再調査を求め、かつ再調査後の集約結果の公表を求めますので、ご高配をよろしくお願いいたします。 



7.
なお、社会保険庁の保険医療機関の指導監督等の部門は、2008年10月に地方厚生局に分離移管するとのことですが、上記の様式8-2の通知にも関わらず、前年に続き今年も同様のミスが生じたことについての原因検証が、国民の信頼に値する組織移管のために不可欠と考えますので、併せてこの検証と結果公表をお願いします。

この要望についてのご回答は、10月末日を目途にいただけますよう、お願いいたします。

敬白