タバコ自動販売機に関する設置調査および自販機撤去の要請
以下のコンビ二エンスストア売上高上位10社(2006年度)に送付しました。結果は後日掲載します。
株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社ローソン、株式会社ファミリーマート、株式会社サークルKサンクス、ミニストップ株式会社、株式会社デイリーヤマザキ、株式会社エーエム・ピーエム・ジャパン、株式会社セイコーマート、株式会社九九プラス、株式会社ポプラ

 

2008228

株式会社○○○社長 ○○○○様

 

タバコ自動販売機に関する設置調査および自販機撤去の要請

〒162-0063 東京都新宿区市谷薬王寺町30−5−201
NPO法人 日本禁煙学会
理事長 作田 学
電話 090-4435-9673
ファックス 03-5360-6736
http://www.nosmoke55.jp/

 

 

私たちは、喫煙の害から人々の健康と命を守るために活動している会員数約1,500人の医師・看護師・弁護士・報道関係者・一般国民などの多職種からなるNPOです。

わが国では、未成年者の喫煙があとを絶たず、未成年者の多くは屋外に設置されたタバコ自販機から購入しております。

大手コンビニでは、すでに屋外タバコ自販機を全面撤去したところもあると聞き及びますが、このたび本学会ではコンビ二各社のタバコ自販機の状況の調査と今後の対応について調査をすることになりました。つきましては、以下をお尋ね致しますので、お手数ですが、331日までに回答を頂きたく、お願い申し上げます。頂いた回答はホームページ上で公開させて頂きますのでご了承を願います。

質問1. 貴社のコンビ二店舗ではタバコの自販機を設置しているでしょうか。
質問2. 設置している場合、タバコ自販機を全面撤去する予定があるでしょうか。
予定がある場合は、期日をお教え下さい。

 

 

私たち日本禁煙学会は、成人識別機能付きタバコ自動販売機に対する見解を去る219日に公表し、タバコ自販機の全面廃止とタバコ小売店の未成年者喫煙防止法順守状態の厳格なモニターを求めたところです(添付資料参照)。ここにありますように、成人識別機能付きタバコ自動販売機にしても未成年のタバコ購入を防ぐことはできません。

 

日本禁煙学会では、全国のコンビニエンスストアにおける未成年者へのタバコの販売状況を監視し、未成年者への販売が確認された場合には、未成年者喫煙禁止法およびタバコ規制国際枠組条約に基づき、当局への告発とともに会社名を公表いたします。

さらに、今回の調査において、タバコ自販機を今後も設置し続けるコンビニエンスストアがあった場合には、4月以降に、加盟店舗において学校の制服を着た未成年者による成人識別機能付きタバコ自動販売機からのタバコ購入実験を実施し、購入可能だった場合も告発と会社名の公表を行います。

 

以上

※ なお、同じ書面をコンビ二エンスストア売り上げ上位10社にお送りしております


参考資料

 

2008219

 

成人識別機能付きタバコ自動販売機に対する日本禁煙学会の見解

 

東京都新宿区市谷薬王寺町305201

desk@nosmoke55.jp

NPO法人 日本禁煙学会

理事長 作田 学

 

タスポでこどもの喫煙は減らせなかった

 

この度、未成年者の喫煙防止を目的として、タバコ自動販売機(以下、自販機)からタバコを買うにはtaspo(タスポ)というICカードが必要となる方式が導入されます。しかし2004年から種子島で導入実験をしたところ、未成年者の喫煙による補導件数がまったく減りませんでした。種子島署は、補導された少年達が一旦取得した親のカードを持ち出したり、成人の先輩からカードを借りて購入していると指摘しております。タスポというカードシステムでこどもが自販機からタバコを買うことを防ぐことはできません。こどものタバコ入手を防止できないにもかかわらず、自販機をあれこれモデルチェンジするのは、未成年者喫煙防止に努力しているというポーズを示して、タバコ自販機の存続を図る策略にほかなりません。

 

今すぐ国際条約違反のタバコ自販機の全廃が必要

 

本気でこどもの喫煙を防止したいなら、日本政府が国際社会にその誠実な実施を約束したタバコ規制国際枠組条約に沿って、タバコ自販機の早急な全廃を実行する必要があります。

同条約第16条は締約国に「タバコ製品の販売を禁止するため、適当な段階の政府において効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を採択し及び実施」することを求め、「タバコの自動販売機の全面的な禁止」を実行することを政策的選択肢として挙げています。

こどもの喫煙防止の役に立たない今回の自販機モデルチェンジを効果的な未成年喫煙防止対策であると称して推進するJT及び外国タバコ会社の行動は国際条約違反です。

さらにタバコの広告塔となっている自販機の存在そのものが、「タバコ製品の販売を促進するあらゆる形態のタバコの広告、販売促進及び後援を禁止すること」を求めた第13条に違反しています。

 

未成年者喫煙防止法で義務付けられた「小売店でこどもにタバコを売らない取組」の強化も必要

 

未成年者にタバコを売らない方策の一つとして、タバコ規制国際枠組条約は「疑義のある場合にはたばこの購入者に対し成年に達していることを示す適当な証拠の提示を求めることを要求する」(第16条)必要があると述べています。これはわが国の未成年者喫煙禁止法第4条(煙草又ハ器具ヲ販売スル者ハ満20年ニ至ラザル者ノ喫煙ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス)にも合致した規定です。これまで、政府がこの法律の周知履行を怠ってきたことに強く抗議するとともに、タバコ小売店の法令順守状態の監視を法律に基づいて厳密に行うことを政府に強く要求します。

 

近年、わが国の若い女性の喫煙率が上昇の一途をたどっていることは、妊娠・出産・育児にかかわる母子保健上からも看過できない事態です。未成年者の喫煙は成長期における心身の成長に 悪い影響を与え、他の非合法ドラッグ使用のリスクを高める危険があるのではないかとの懸念も存在します。重要なことは、未成年者ほどニコチン依存症になりやすく、ひとたび吸い始めるとやめるのが困難になることです。ニコチンの依存性はアルコールよりも強く、ヘロインやコカインに匹敵すると指摘されています。カードさえあればこのような依存性の高いタバコ製品を自販機から入手でき、カードがなくとも小売店で簡単に買える現状を抜本的に正す必要があります。

 

日本禁煙学会は、こどもの喫煙防止のために以下を要求します。

 

1.       タバコ自販機の速やかな全廃

2.       タバコ小売店の未成年者喫煙防止法順守状態の厳格なモニター