日本経済新聞社に対するFCTC遵守要請
2007年6月18日

日本経済新聞社 杉田亮毅社長様

日本経済新聞社 常務取締役 広告部門/関連媒体担当 小谷 勝様

 

                    日本禁煙学会理事長

                      作田 学

                  162-0063新宿区市谷薬王寺町30-5-201

 

 タバコの宣伝広告は、FCTC(たばこ規制枠組み条約)で禁じられております。全国紙を見回してもただ日経の618日朝刊だけが問題の広告を掲載しています。今後はご注意下さい。

 

 私たちは会員数7860人の学会で、喫煙の害をなくすよう、国内・国外を通じ、幅広い活動をしています。

 

 日本国政府は20076月にWHOに対し、たばこ規制枠組み条約の締約国の義務として、次のように回答しております。

たばこの広告、販売促進、スポンサーシップについて

13.2   包括的なたばこ広告、販促、スポンサーシップを禁じているか  答えなし

13.3   すべてのたばこの広告、販促、スポンサーシップを制限しているか  Yes

13.4a   たばこ製品のウソの、誤った、誤らせるあるいは間違った印象を与える広告、販促、スポンサーシップを禁じているか                   Yes

13.4b  すべての広告、販促、スポンサーシップにおいて、健康あるいは適当な警告メッセージを要求しているか                         Yes

13.4c  大衆にたばこ製品を買おうとさせる直接あるいは間接的な奨励を制限しているか                                    Yes

13.4d  たばこ産業がまだ禁止されない広告、販促あるいはスポンサーシップを所管官庁に報告することを義務づけているか                    Yes

13.4e  たばこの広告、販促あるいはスポンサーシップををラジオ、テレビ、印刷物、インターネットなどに出すことを制限しているか               Yes

13.4f  国際的なイベントや活動、参加者に対してたばこのスポンサーシップを禁じるあるいは制限しているか                          Yes


 さて、日本国政府の視点でこの広告を見ますと、

 ニコチンが1mgというのはタバコに小さな穴がたくさん開いており、機械で測定するとニコチンが少なくなるというに過ぎず、実際に吸う時は穴の所を持ちますので、通常と同じようにニコチンとタールが入ります。この仕組みを隠して宣伝しているわけです。

 これは13.4a日本政府の立場では、たばこ製品のウソの、誤った、誤らせるあるいは間違った印象を与える広告、販促、スポンサーシップを禁じている とあります。これはこの項目に明確に違反しております。

 今後はタバコマネーという汚れた金からは距離を置くこと、そして国民に正しい知識を与え続けることを一読者としてもお願いしてやみません。

 

 

 

 

 タバコ規制枠組み条約

第十三条 タバコの広告、販売促進及び後援

1 締約国は、広告、販売促進及び後援の包括的な禁止がタバコ製品の消費を減少させるであろうことを認識する。

2 締約国は、自国の憲法又は憲法上の原則に従い、あらゆるタバコの広告、販売促進及び後援の包括的な禁止を行う。この包括的な禁止には、自国が利用し得る法的環境及び技術的手段に従うことを条件として、自国の領域から行われる国境を越える広告、販売促進及び後援の包括的な禁止を含める。この点に関し、締約国は、この条約が自国について効力を生じた後五年以内に、適当な立法上、執行上、行政上又は他の措置をとり、及び第二十一条の規定に従って報告する。

3 自国の憲法又は憲法上の原則のために包括的な禁止を行う状況にない締約国は、あらゆるタバコの広告、販売促進及び後援に制限を課する。この制限には、自国が利用し得る法的環境及び技術的手段に従うことを条件として、自国の領域から行われる国境を越える効果を有する広告、販売促進及び後援の制限又は包括的な禁止を含める。この点に関し、締約国は、適当な立法上、執行上、行政上又は他の適当な措置をとり、及び第二十一条の規定に従って報告する。

4 締約国は、憲法又は憲法上の原則に従い、少なくとも次のことを行う。

a)虚偽の、誤認させる若しくは詐欺的な手段又はタバコ製品の特性、健康への影響、危険若しくは排出物について誤った印象を生ずるおそれのある手段を用いることによってタバコ製品の販売を促進するあらゆる形態のタバコの広告、販売促進及び後援を禁止すること。

b)あらゆるタバコの広告並びに適当な場合にはタバコの販売促進及び後援に当たり健康に関する警告若しくは情報又は他の適当な警告若しくは情報を付することを要求すること。

c)公衆によるタバコ製品の購入を奨励する直接又は間接の奨励措置の利用を制限すること。

d)包括的な禁止を行っていない場合には、まだ禁止されていない広告、販売促進及び後援へのタバコ産業による支出について関連する政府当局に対し開示することを要求すること。当該政府当局は、国内法に従い、当該支出の額を公衆に開示すること及び第二十一条の規定に従い締約国会議に開示することを決定することができる。

e)ラジオ、テレビジョン、印刷媒体及び適当な場合には他の媒体(例えば、インターネット)におけるタバコの広告、販売促進及び後援について、五年以内に、包括的な禁止を行い、又は自国の憲法若しくは憲法上の原則のために包括的な禁止を行う状況にない締約国の場合には、制限すること。

f)国際的な催し、活動又はそれらの参加者に対するタバコの後援を禁止し、又は自国の憲法若しくは憲法上の原則のために禁止する状況にない締約国の場合には、制限すること。

5 締約国は、4に規定する義務を超える措置を実施することが奨励される。

6 締約国は、国境を越えて行われる広告の廃止を促進するために必要な技術及び他の手段の開発について協力する。

7 特定の形態のタバコの広告、販売促進及び後援を禁止している締約国は、自国の国内法に従い、自国の領域に入る当該形態の国境を越えるタバコの広告、販売促進及び後援を禁止する主権的権利並びに自国の領域における国内の広告、販売促進及び後援について適用する制裁と同等の制裁を科する主権的権利を有する。この7の規定は、いかなる制裁をも科することができることを認め又は承認するものではない。

8 締約国は、国境を越えて行われるタバコの広告、販売促進及び後援の包括的な禁止のために国際的な協力を必要とする適当な措置を定める議定書の作成について検討する。