横浜タバコ病訴訟を支援する声明

日本禁煙学会は横浜タバコ病訴訟を連帯して支援いたします

2007年3月28日

NPO法人 日本禁煙学会理事長
作田 学

 米国で公開されているタバコ会社の内部文書により、JTがいかにタバコをめぐる真実をねじ曲げてきたかが、次々に明らかにされてきました。第一次のタバコ病訴訟(東京)は1998年5月15日から2003年10月21日までおこなわれました。この時、証人尋問に立った横浜市立大学名誉教授の蟹沢成好氏が「専門の病理学では喫煙が肺癌を発症させるメカニズムはまだ解明されていない。喫煙と肺癌を結びつけるのは早計だ」と証言しました。30年以上も前、1964年に米国公衆衛生長官報告でタバコは他の原因をはるかに超えて肺癌発症の原因となるとされているのにもかかわらずです。その理由はやがて明らかにされました。蟹沢氏は1998年4月からJTの職員だったのです。週1回の勤務で月給が35万円であったと今月号の東洋経済は伝えています。また、東京慈恵医大客員教授の柳田知司氏がアカゲザルによる動物実験を基に、「ニコチンの身体依存は微弱で、精神依存はアルコールより格段に弱い」と証言しました。10年前の1988年に米国公衆衛生長官報告でニコチンはヘロインやコカインと同程度の依存性があるとはっきり述べられているにもかかわらずです。これもやがて裏があることがわかりました。東洋経済によれば柳田氏も1985年からJTと業務委託契約を結んでいたのです。それどころではなく、柳田氏が理事長を務めるある学会の収入の半額がJTからの出資だったのです。またそれだけではなく彼らはJTからの助成金もたくさん受け取っていました。

 事実はその時には明らかではなくても、やがて白日のもとにさらされるものだということ、そして、科学的事実を曲げてまで、お金に奉仕した彼らの名誉はすでに水泡に帰したということがわかるのです。
 それだけではなく、インチキ医学を信じた裁判官もまた各種の論文によって、国際的な大恥をかくことになったのです。

 この記録はもはや消すことはできません。そればかりではなく、やがては多くの国民の知るところとなるでしょう。医学・法学の分野で営々と築いてきた信用・信頼が実は虚構・虚偽であったと将来の日本人から指弾を受けるにはあまりにも少額の金と引き替えなのではないでしょうか。

 NPO法人日本禁煙学会はタバコ病をなくす横浜裁判応援団、タバコ病訴訟を支える会と連帯し、タバコ病患者への賠償を求める横浜訴訟の皆さんを強く支援いたします。
 
 がんばってください。



2007年3月28日の『横浜たばこ病訴訟』の入廷前の集会において、「日本禁煙学会」支援アピールを渡辺文学氏がマイクを通じて、朗読しました。