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『厚労省、喫煙率引き下げの数値目標を断念…タバコ業界反発で厚生労働省は26日、喫煙率を引き下げるための数値目標の設定を見送ることを決めた。タバコ業界などの反発に配慮したためで、代わりに「喫煙をやめたい人がやめる」という目標を「健康日本21」の中間見直しに盛り込む。2000年の「健康日本21」策定時にも、数値目標を設定しようとして断念した経緯がある。喫煙率の数値目標の新設は、厚労相の諮問機関・厚生科学審議会の専門部会で検討されていた。』(2006年12月26日)
と報道されています。
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健康日本21に設定された国民健康づくり運動に関わる目標値の中間評価の審議が、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会において、2004年10月より開始され、本年8月18日に中間評価報告案が公表され、これについて,9月16日までパブリックコメントの募集が行われました。
コメント総数は876件で、「喫煙率低減の数値目標」については829件という95%もの意見が寄せられ、タバコ問題に国民の関心の高さが示されており、「喫煙率低減の数値の新規目標設定」の 賛成 305 反対 265 で、しかも 第三案目標値(男性25%、女性 5%)が205人と、圧倒的に、厳しい第三案の支持が多い結果でした。
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このパブリックコメント結果の事実の重さを踏まえ、数値目標が決められると私たちは期待しておりました。11月に公表された、「喫煙率大幅減 成人男女計26.3%」(JT調査)も追い風となるはずでした。
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予防しうる単一で最大の疾病と早期死亡の原因であるタバコ病対策に、たばこ規制枠組条約を先進国で率先して批准した我が国政府(厚生労働省)が、数値目標設定を見送ったことに、本学会は深い失望の念を禁じ得ません。
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しかし、喫煙率の大幅減が示すように、喫煙対策は我が国においても、加速度的に進みつつあります。
本学会は、国民及び関係諸団体・各層と連携し、今後とも、喫煙と受動喫煙をなくす努力をすることにより、「喫煙率引き下げの数値目標を断念」を事実的に乗り越えていきたいと考えます。
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