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「日本たばこ産業(JT)は12/15、英たばこ大手ギャラハー・グループを買収することで同社と合意したと正式に発表した。純有利子負債を含めた実質的な買収総額は約2兆2530億円。健康意識の高まりや課税強化により先進国市場が伸び悩む中、「成長著しいロシアなど新興市場の強化につながる」(JTの木村宏社長)とし、世界市場で勝ち残りを目指す。」と報じられている。
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「尾身幸次財務相は15日の閣議後の記者会見で、JTによる今回の買収について、JT社長から報告を受けたとした上で、「経営判断を尊重したい」と述べ、歓迎する意向を示した。」とのこと。
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外国タバコ会社がじり貧になる中,JTは資金力と国がJT株式の半分を所有しているという担保保証にものを言わせて,グローバル化で,ロシアや欧州,途上国で儲けようという経営戦略は,諸外国国民とりわけ青少年をニコチン依存症に陥らせ害毒をふりまこうとするもので,日本の恥であり,日本禁煙学会として強く抗議する。
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たばこ規制枠組条約の実効性の進展に伴い,タバコ産業は縮小し,消滅させていくべきものであり,その損失を回避するために,国はJT株式を至急に放出すべく完全民営化を急ぐべきである。
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(5) |
タバコ関連疾患等によって毎年日本国民全体に5兆6千億から7兆1千億円の損害を与えており、JTは2兆円超の買収資金を、これら日本国民への損害の補填に充てるべきである。
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(6) |
日本禁煙学会は2兆5千億円を次の用途に使うことを提案する。
1. |
タバコ関連疾患の犠牲者への見舞金・治療費負担金・・・毎年11万人以上の能動喫煙犠牲者と受動喫煙犠牲者に対して、見舞金・治療費負担金を支払うべきである。 |
2. |
消防・清掃費用負担・・・火災の多くの原因がタバコであり、その消火費用と、タバコの吸い殻・空き箱の清掃費用を合わせて、毎年2千億円がかかっている。これらの費用を非喫煙者や各地方自治体の少ない予算から捻出させるべきではない。 |
3. |
農家の転作費・・・多くの農家がJTから見捨てられて葉タバコの生産をやめている。その責任をとり、転作費用を負担すべきである。 |
4. |
自動販売機の撤去にともなう対策費・・・自動販売機を有するタバコ小売店の多くは零細である。自動販売機を撤去するにあたり、補償を出すべきである。 |
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