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漫画、テレビアニメ「NANA」の喫煙描写に対する抗議文・要請 (集英社,著者矢澤あい,日本テレビ,JCB,コナミ,日本工学院に送付) → 集英社と矢沢あいさんからの連名の回答(2006/6/27) → 日本テレビからの回答(2006/6/30) |
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集英社と矢沢あいさんからの連名の回答 | ||
(2006年6月27日) | ||
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日本禁煙学会 理事長 作田 学様 拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます. さて,6月7日にいただきました「漫画,テレビアニメ「NANA」の喫煙描写に対する抗議文と要請」に対して,編集部の考えをお伝えいたします. 漫画「NANA」は1999年,増刊「クッキー」誌に初めて読み切りとして掲載され,翌年5月の「クッキー」創刊号から連載作品としてスタートしました.連載開始当初より読者に支持され,2006年6月現在も月刊「クッキー」誌にて連載中で,コミックス(漫画単行本)は第15巻まで刊行中です.恋に夢に戸惑う青春群像をNANAという同じ名を持つ二人の女性の友情を軸に,彼らが迎える出会いや苦難を,真摯に,時にユーモラスに描いています. 編集部,作者共々,喫煙の有害性は十分に認識しておりますが,現代に生きる等身大の青春像を描くという作品の性格上,若者たちのリアルなライフスタイルの描写は避けて通ることができません.とはいえ,特に喫煙表現に関しては,編集部でも連載当初より細心の注意を払い,その行為を推奨するような表現は一切しないように作者と話し合っております.不特定多数が目にする駅張りの宣伝ポスター,車内吊り広告などでは喫煙シーンを一切使用しない方針でやって参りました.その方針はこれからも同様です. しかしこのたび,貴学会より「喫煙描写に対する抗議文と要請」を受けたことは真摯に受け止め,貴学会の活動を理解し,今後の漫画表現において編集部は作者との話し合いを再度持ち,作品に生かしていければ幸いです.以上に関しては,作者の矢沢あいも同様の考えです. 貴学会のご活動に敬意を表し,以上をもちまして,編集部および矢沢あいからの,今回の「抗議文と要請」に対する回答とさせていただきます. |
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敬具 |
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日本テレビからの回答 | |
(2006年6月30日) | |
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2006年6月30日 日本禁煙学会 理事長 作田 学様
拝復 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 さて、貴会より「漫画・テレビアニメ「NANA」の喫煙描写に対する抗議と要請」の文書を頂戴しました件につきまして、お答え申し上げます。 まず、この作品は「音楽バンド」という夢を縦軸に、若者たちが葛藤し、助け合い、傷つけ合いながらも成長してゆく青春群像を描いたもので、見事なまでに配置された登場人物に読者(視聴者)が感情移入し、作品の魅力に惹きこまれていくという、ドラマ性が著しく高い希有な作品であります。そして、この番組のコンセプトは、登場人物たちが様々な壁を乗り越えながら前向きに生きていく姿を通し、「ポジティブなメッセージ」を広く視聴者に伝えていくことでございます。 この作品をテレビアニメ化するにあたり、弊社では、テレビは影響力の強いメディアであることを念頭に、特に児童および青少年への配慮は必要不可欠のものと考え、企画の段階から、喫煙に関する描写を含めた表現方法について議論を重ねて参りました。 議論の結果、この作品における喫煙に関する描写は、ストーリー上必要不可欠なもので、割愛することは不自然であり、かつ不可能であるとの結論に至りました。 しかしながら弊社としては、放送に際しては喫煙をことさら美化し、肯定するような取り扱いをしないことを取り決めた上で、制作しております。 今回の貴会からのご要請は、貴重なご意見であると真摯に受けとめております。お申し入れのご趣旨は、今後の番組作り、番組の質の向上に向けての取り組みに活用させて頂きたく存じます。 最後になりましたが、貴会の活動に対し敬意を表しますとともに、貴会のさらなるご発展を祈念いたします。 |
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敬具 |
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