1. |
日本たばこ産業(JT)は国立大学法人東京農工大学と同生活協同組合の協力を得て『JT喫煙マナー向上キャンペーン「生協の白石さん編」』を6月20日より首都圏を中心に開始すると発表している。
http://www.jti.co.jp/News/06/NR20060615/appendix.html
|
2. |
これは、喫煙マナー向上キャンペーンと銘打っているものの、事実上、タバコ製品製造産業としてのJTのイメージアップを通じてタバコ製品の販売を促進する営業活動に他ならない。
|
3. |
FCTCは、第13条において、タバコ製品の販売促進行為を禁止するよう求めている。今回のJTのキャンペーンは、特に、第4項(a)に抵触するものである。
第十三条 たばこの広告、販売促進及び後援(スポンサーシップ)
…
第2項 締約国は、自国の憲法又は憲法上の原則に従い、あらゆるたばこの広告、販売促進及び後援の包括的な禁止を行う。…
第4項 締約国は、憲法又は憲法上の原則に従い、少なくとも次のことを行う。
(a)虚偽の、誤認させる若しくは詐欺的な手段又はたばこ製品の特性、健康への影響、危険若しくは排出物について誤った印象を生ずるおそれのある手段を用いることによってたばこ製品の販売を促進するあらゆる形態のたばこの広告、販売促進及び後援を禁止すること。
(b)あらゆるたばこの広告並びに適当な場合にはたばこの販売促進及び後援に当たり健康に関する警告若しくは情報又は他の適当な警告若しくは情報を付することを要求すること。
(c)公衆によるたばこ製品の購入を奨励する直接又は間接の奨励措置の利用を制限すること。
(d)包括的な禁止を行っていない場合には、まだ禁止されていない広告、販売促進及び後援へのたばこ産業による支出について関連する政府当局に対し開示することを要求すること。当該政府当局は、国内法に従い、当該支出の額を公衆に開示すること及び第二十一条の規定に従い締約国会議に開示することを決定することができる。 |
|
(FCTC本文)
|
4. |
以上の検討に基づき、日本禁煙学会は以下を要求する。
● |
JTはFCTC違反のマナーキャンペーンを中止すべきである。 |
● |
FCTCを批准し同条約の誠実実行義務を課されている政府は、JTに対し、同キャンペーンの中止を指導し、あわせてFCTC第13条、第4項(d)に基づき、今回のマナーキャンペーンに要した費用の開示をJTに要求すべきである。 |
● |
東京農工大学ならびに同生活協同組合は、今回のJTキャンペーンへの協力がFCTCの精神に反することを認め、同キャンペーンへの協力撤回を表明すべきである。 |
|
|
2006年6月18日
|