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ニコチンパッチの保険適用を求める提言 | |||||
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しかるに「ニコチンパッチの使用は混合診療にあたる」という判断は既に保険を前提として診療を開始した現場の医師にとって「疑義解釈」がどうのこうのという以前の問題であり,現場には混乱がおきています. そもそも本年3月6日付けで厚生労働省保険局医療課長および厚生労働省保険局歯科医療管理官の名前で出されています. 「診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について」 http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/03/dl/tp0314-1b01.pdf では以下のように記されています。 >ニコチン依存症管理料は、入院中の患者以外の患者に対し、 >「禁煙治療のための標準手順書(日本循環器学会、 >日本肺癌学会及び日本癌学会の承認を得たものに限る。)」 >に沿って、初回の当該管理料を算定した日から起算して >12週間にわたり計5回の禁煙治療を行った場合に算定する。 >直ちに禁煙することを希望している患者であって、 >「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療に >ついて説明を受け、当該治療を受けることを文書により >同意しているものであること。 すなわち算定するためには、「禁煙治療のための標準手順書」に則った説明、文書同意、そして5回の禁煙治療に基づかなければならないことがここに明記されています。 要するに「禁煙治療のための標準手順書」に基づいた治療を行わなければ算定できない、保険の適用にならないという以外にまったく解釈の余地がありません。 そしてその「禁煙治療のための標準手順書」では、ニコチンパッチを使う治療を中心に治療手順が書かれていますし、それを示しながら患者さんにも説明するようになっています。 ということは、 ● ニコチン依存症に対して保険を適用したい ↓ ●「禁煙治療のための標準手順書」に基づいて治療しなければならない ↓ ●「禁煙治療のための標準手順書」ではニコチンパッチを使った治療を 中心に治療手順が書かれている ↓ ● ニコチンパッチを使う ↓ ● 混合診療と判断されて保険が適用されない という「矛盾」が生じます。 私たち日本禁煙学会は、次のような提言を行います. (1)禁煙治療に必須であるニコチン製剤のための処方箋の発行が混合診療にあたるという判断はあきらかに自己矛盾です。 (2)当局の不備により禁煙治療の現場は混乱しており、受診者に不利益を与えないため、4月1日に遡ってニコチン製剤を保険適用とすることを要請します. そして,この禁煙治療が日本国に根付きますよう,祈っております. |
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